健康予防医療コラム ~歯の健康~

若年性歯周病

 歯周病は、口腔内の細菌性プラークによって起こる感染症ですが、これによって歯槽骨が破壊された状態を歯周病とよびます。若年性歯周病という病気があります。

 若年性歯周病は、家族性の進行型の歯周病で思春期に症状がでます。特に、歯ぐきが腫れて血が出る、歯がグラグラする、歯の周囲の歯槽骨が溶けるなどの症状がみられます。発生頻度が少ないため、乳歯にも重い症状があらわれますが、まだ、研究が進んでいないのが現状です。
 しかし、若年性歯周病を気付かずにいると、歯槽骨の破壊がさらに進行し、20〜30歳代に歯ぐきが腫れて歯医者を受診したときには、広範囲に歯槽骨が破壊されていたということになります。この結果、歯の早期脱落(歯が抜ける)につながります。
 若年性歯周病の原因は、今のところ毒性の強い細菌の感染が起こっている場合や、普通では病気にならないのに、遺伝的に歯周病に関する患者さん自身の感受性が強いために発病してしまうことなどが考えられています。また、喫煙によって悪化することがわかっています。治療は、原則として成人型の歯周病と同じように、十分な検査・診断後に歯石除去や歯ぐきの切除など外科的処置がおこなわれます。
 日頃から、歯磨きをする、定期歯科健診を受ける、よく噛むなどを心がけて自分の歯に気を配り、また、子どもの口腔内の様子を知ることが早期発見につながります。

監修:斎藤 保健師
掲載日:2007年02月01日

TOPへ戻る