健康予防医療コラム ~休養・心の健康~
安眠で元気いっぱい
日本人の半数は不眠症の疑いがあり、しかも自覚症状のない「潜在的不眠症」が3割も見られるとの調査結果が出ました。
北里大精神医学の村崎光邦名誉教授らは、全国的規模で睡眠に関する調査を実施したところ、1万424人のデータが集まりました。その結果、日本人の平均睡眠時間は6〜7時間が36.5%と最も多く、眠りにつくまでの時間は15分以内が43.4%でした。しかし、眠りにつくまでの時間が30分の人が18.2%、60分の人が27.9%という結果で、30分を超えると不眠症の疑いが強まりました。
不眠症の有無を調べる方法は、世界的に用いられている「アテネ不眠尺度」で、寝つき・睡眠への満足感・日中の眠気など8項目の回答を判断しました。この結果、不眠症の疑いのある人は49.4%で、このうち「よく眠れない」と認識している人は20.9%で、あまり自覚がない人は約3割に上りました。
最近の社会生活を考えると、ストレスが多く眠れない夜を過ごし、さらにストレスが加わるという悪循環に陥っている人も多いはず。私たちの大脳は睡眠のみによってしか休むことができません。そのため、不眠状態では大脳の情報処理能力の著しい低下を招き、ストレスの蓄積・蓄積疲労・記憶障害・意欲の低下・抑うつ状態・食欲低下・片頭痛・耳鳴り・腰痛・日内リズムの乱れなど心身のあらゆる症状が表れます。そうならないためには、自分の健康状態に注意していつもと違うことが起きたときはその理由を意識してみては如何でしようか。
まずは、自分で気がつくことが大切です。理由がわかれば対処の仕方もいろいろとあるはずです。心地よい睡眠を取り戻し元気になりましよう。
監修:斎藤 保健師
掲載日:2007年02月15日