健康予防医療コラム ~休養・心の健康~
プライド
「プライドを持って仕事をしなさい」「あのひとプライド高いから付き合いにくいよ」などと、プライドという言葉は、色々な意味で使われています。「プライドを持ちなさい」というときには、肯定的なイメージがありますし、「プライドにしがみついて困る」というときは、否定的なイメージです。プライドはあったほうがよいのか、ない方がよいのか?
誰に向かって話していると思っているんだ!」「その態度は生意気だ!」「頭越しは許せん!」というように、自分を敬わない態度に敏感なひとは、「プライドが高い」と言われます。「私なんかたいした人間じゃないから」といっている人でも、職場で年下の人に「これやっておいて」などといわれると、「やっておいてじゃなくて、お願いしますだろ!」と、怒ったりします。人は誰でも、自分を大切にしてほしいものです。自分は権威的ではなく、誰とでも対等な意識を持っていると思っている人でも、自分を軽く見るような扱いや言葉遣いにカチンとくるものです。
また、いつもおどおどして、自信の無い態度で仕事をしている人に、「自分の仕事にプライドもってもいいんじゃないの?」と言うときには、「誇りをもちなさい」という意味で、自分のやっていることへの自信をプライドといったりします。仕事を依頼するお客さんからすれば、プロのサービスを受けるときには、「任せてください。プロですからご安心下さい」と、自信ある態度をとってほしいですからね。
こう考えてくると、「プライド」という言葉も微妙に色々なニュアンスを持っていることがわかりますし、自分が「プライド」を意識する場面というのは、社会的な立場、自分の能力や技術を大切に思う気持ちを刺激されるときだとわかります。
「プライド」は持っていた方がよい。しかし、「プライドにしがみつく」と、社会的にうまくいかない。あまりにも、プライドにこだわる人は、反対に「不安」なのかもしれませんね。本当のプライドをもっている人は、プライドを大切にはしますが、振りかざす必要はありませんから。自分が持っている技術や能力をそのままに自分でも認めることは大切ですが、実は自分の能力や技術がちゃんと認められているかどうか不安だと「プライドが傷つきやすい」人になってしまいます。自分の自信と、劣等感、そして社会的な立場を考えさせられるのが、プライドを意識するときです。プライドを持って、そしてプライドにしがみつかず、お仕事できている人はすばらしいと思います。
監修:大多和 二郎 先生
掲載日:2006年10月15日