健康予防医療コラム ~休養・心の健康~

パニック障害

 不安は誰にでも起こりますが、病的な不安は不安神経症とよばれ、急性の不安発作(パニック)を繰り返す場合、パニック障害といいます。

 パニック障害は、特別な原因やきっかけがなくても急に発症して、パニック発作を繰り返します。しかし、なんらかの精神的ショック、心配ごと、悩み、ストレスなどの精神的原因が思い当たることもあります。また、過労、睡眠不足、風邪などの身体的不調がきっかけになることもあります。発作が起こる不安のために一人で外出できなくなり乗り物にも乗れません。
 具体的な症状は、心臓がドキドキする(動悸)、脈が速くなる(頻脈)、胸苦しい、息苦しい(ハーハー息をする・息がつまる)、めまい、ふるえ、しびれ、身体が熱く(冷たく)なる、汗がでる、吐き気、腹痛などの身体症状があります。また、気を失ってしまうのではないか、このまま死んでしまうのではないかと思うほどの恐怖感がみられます。このような発作は急激に高まるため、最初は心臓発作を疑い救急車で病院に運ばれたりしますが、病院に着く頃には発作がおさまっていて、検査をしても異常は見つからず、たいていはそのまま帰宅ということになります。しかし、数日中にまた、パニック発作が起こりこれを繰り返すと、次第にあのような発作が起きないかという予期不安や発作が起きたときにそこから逃げられない・助けが得られない、そういう場所を避けるなどの広場恐怖に発展します。
 治療は、抗不安剤や抗うつ薬をのんでパニック発作を起こさないようにしてから、少しずつ外出や乗り物に慣らしていきます。また、治療にあたっては本人や家族、職場での正しい知識が不可欠です。

監修:斎藤 保健師
掲載日:2006年10月15日

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