健康予防医療コラム ~休養・心の健康~

世界記録の謎…

未開拓の、開発できる要素

 オリンピックをはじめ、沢山の世界大会が開かれています。スポーツの世界では、どんどん世界新記録がうまれ、その選手の活躍ぶりが、私たちに勇気と喜びを与えてくれます。陸上競技や水泳などでは、どんどん世界記録のタイムが更新されていくので、いったいどこまでいくのだろう?とふと思ってしまいました。

 人間の身体のつくりは人によって違うとはいっても、いきなり身長が3メートルとか足が三本とか、そういう違いはありませんから、構造そのものは、そんなに違いはありません。スポーツ選手ですから、普通の人よりトレーニングで筋肉も付いているし、体力もあります。しかし、無理をすればケガもするし、骨も折ってしまうことがある生身の身体です。ところが、体操やフィギアスケートでは、昔は限られたベテランの選手、世界で一人二人しかできなかった技が十代の選手が軽々とこなしたり、陸上や水泳競技でもタイムの更新が続いています。

 次々と記録更新がされるのは、なぜかというと、コーチやトレーニングの技術の成果に他なりません。どうしたらその一人の選手の持っている力を無駄なく競技の場で発揮できるのかをトレーナーやコーチの専門家が考えます。そして、選手は体の使い方の効率を上げ、そしてエネルギーが持続するような精神的身体的なコーチやトレーニングを受けることによって、数年前ではごく限られた数人の選手にしかできなかった演技や競技が、数年後には当たり前のように世界大会の場で見ることができるのです。

 このことから、無駄をなくし、効率よく身体や心を使うことで、人間はまだまだいろいろな力を発揮できるのではないかと思います。科学技術の進歩で人は高いビルや、ロケットを作ることができました。しかし、それは道具や機械を利用した人間の力です。人間の身体そのものだって、まだまだ未開拓の、開発できる要素があるのではないかと思います。みなさまどう思われますか? もしかしたら、スポーツに限らず、人はまだまだ開発すればすごい力をだせるかもしれません。世界大会の中継をみながら、ふと思いました。

監修:大多和 二郎 先生
掲載日:2006年07月01日

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