健康予防医療コラム ~休養・心の健康~

「ダメかも知れない」でも「大丈夫かも知れない」

可能性という小さな芽

「ダメかも知れない…」と思ったことはありますか?  今まで出会ったことのないような大きな困難にであったとき、今まで体験したことのないほど疲れてしまったとき、解決方法がわからない問題をかかえてしまったとき、人はダメかも知れないと思う瞬間があります。

 「ダメかも知れない」という言葉と同じような意味なのですが、全く逆の意味を持っているのが「大丈夫かも知れない」という言葉です。ダメかも知れないけれど、その理由が確定していない場合、または解決方法がまだ見つかっていないだけという場合は、諦めない限り、大丈夫かも知れないのです。人は、「ダメかも」と思ってしまうと、考えるのをやめてしまうし、努力をとめてしまいます。もしかしたら可能性があったことでも、動きがとまってしまうことで、解決の可能性がなくなってしまいます。
 オリンピックでは次々と世界新記録が生まれ、今まではなかった新しい技が次々と生まれて、人間の力はどこまで伸びるのだろうかと驚嘆させられます。スポーツ選手が、「あの記録を越えることはできるはずがない」と思ってしまったら、記録更新はできなくなるでしょう。製品開発する人が、これ以上小さな部品を作ることは不可能と思っていたら、新しい小さな部品は開発されなくなるでしょう。

 人間はチータほど速く走ることはできませんし、鳥のように空高く舞うことはできません。ですから、確かにできることの限界はあるはずです。しかし新幹線を作り、飛行機を作ることで、早く移動し、空を渡ることを可能にしてしまいました。オリンピック選手の記録がどこまでのびるのかはわかりませんが、不可能を可能にしてきた先人が沢山います。
 もし、自分の目の前にある事態を解決する方法がわからなくて、「ダメかも知れない」と思ったとき、心の中で「大丈夫かも知れない」と小さくつぶやいて言い換えてみましょう。そして、もう一度問題に向き合ってください。可能性という小さな芽が見つかるはずです。

監修:大多和 二郎 先生
掲載日:2006年03月15日

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