健康予防医療コラム ~休養・心の健康~

無意識のうちに…

無意識のパターン

 人が行動したり考えたりしているときは、だいたい「意識」をもって行動したり考えたりしています。それは当然ですよね。「今からパンを食べよう」と意識してパンに手を伸ばすし、「電車に遅れそうだ!」と意識して走り始める…。しかし、生活の中で「無意識」に基づく行動や判断もたくさんあるのです。
 たとえば、朝家の玄関をでて、今日の仕事の打ち合わせの手順を考えながら歩いていたら、いつの間にかいつもの電車のいつものドアのところに乗っていた…。テレビのバラエディー番組を横目で見ながら、けらけらと笑いながら昼食のチャーハンを作っていたら、いつ、どの程度調味料を入れたかあまりおぼえていないまま、いつもの味に仕上がってしまった…。というように、無意識でもちゃんとできていることがあります。

 人は、習熟した技術や、身に付いた行動パターンで、無意識のままにできてしまっていることが多いのです。意識を使わない分、エネルギーの消耗も少なく、楽にやっていけるわけです。ですから、武道の稽古をしている人は、とっさの場面で瞬間的に手足が危険を乗り切る方向に動くように「型」を練習して体に覚えさせていますよね。よい型は、自分をとっさに守ってくれます。
 ところが、この「パターン化」がくせ者でもあるのです。言い訳癖、ごまかし癖、人のせいにする癖、早とちり、いやみな口調などが無意識のパターンになっていると、自分では、意識のないままに、信用をなくしたり、人を傷つけたりしてしまうことになります。注意しましょうね。普段の「無意識化している」対話のパターンや、行動パターンをもう一度見直してみるには、まわりの人に尋ねてみることです。「私のパターンおしえてくれる?」きっと新しい発見があるでしょう。

監修:大多和 二郎 先生
掲載日:2005年10月15日

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