健康予防医療コラム ~休養・心の健康~
ミントの錯覚
○○の錯覚
いま、デザート、お茶、アロマオイルなど、ハーブを使った食品、癒しなどがさかんですね。その中でも代表的なハーブといえば、ミントではないでしょうか?
ハーブのことをよく知らない人でも、ミントという名前やその香りは、沢山の食品、化粧品、歯磨き粉などに使われているためにとてもポピュラーです。特に、夏の季節には、その爽やかな香り、清涼感のある独特の刺激がたまりませんね。
ミントを入れたお水をいただくと、何となく普通の水より冷たく感じますし、ミントの香りのシャンプーでもなんだか頭が涼しい感じがします。ご存じの方もいらっしゃるかも知れませんが、このミントの「涼しさ」というのは、実は錯覚なのです。
ミントの香りのもとは「エル-メントール」という物質です。その物質が、冷たさを感じる感覚受容体に作用すると、その信号をキャッチした脳は「冷たい」と感じるだけで、実際に、口の中や皮膚の温度は下がってはいないのです。ですから、「クールな感じ」のみを感じるというのが事実なのです。
これを応用すると、ミント系の入浴剤の入ったお風呂に入ると、のぼせにくく、しかもじっくり身体を温める事ができ、夏にはうってつけということになります。
私たちは、自分の感じたことが「事実」であるかのように錯覚していることがたくさんあります。この「ミントの錯覚」のように、その事実を上手く使うと、自分を快適に、そして楽しく過ごすことができそうです。まだまだ、「○○の錯覚」あるかも知れません。
監修:大多和 二郎 先生
掲載日:2005年08月15日