健康予防医療コラム ~休養・心の健康~
笑いの効用、怒りの効用
「笑う門には福来たる」といいますが・・・
「笑う門には福来たる」といいますが、毎日笑顔で暮らせたら、心身共に健康で楽しく生きられるでしょうね。ところが、現実の日常では、忙しい仕事、満員電車の通勤、得意先からのクレームなど、ストレスだらけで、笑顔でばかりではいられませんね。どうしてもイライラしたり、怒ったりしてしまいます。
赤ちゃんは「泣き」「ぐずり」などで自己主張します。大人だって、基本はおなじだと思います。いい年をした大人が怒って、まわりにあたりちらすという行為は大人気ないし、考えものですね。しかし、その「心の働き」に目を向けたとき、そこには「自己の尊厳」が見えてきます。怒っている人は「私の存在をないがしろにしないで!」というように、自己の尊厳を守ろうとしているのです。ですから、怒りやイライラを感じたとき、「自分は何に怒っているのかな?」と振り返ることで、自分自身の心が大切に思っている「自分の尊厳」を確認することができます。また、怒っている相手の「怒りの向こう」に目を向けることで、相手の心が大切にしているものを感じ取ることもできます。
自分や相手が怒っていると、なかなか余裕が持てないものですが、時々「怒っている背景にあるこころ」を感じ取ってみましょう。きっと自分や相手が今までよりもちょっと理解出来るようになるでしょう。「怒りの効用」ということを、少し考えてみませんか。
監修:大多和 二郎 先生
掲載日:2005年04月01日