健康予防医療コラム ~休養・心の健康~

温泉を楽しむ(11月)

 火山の国である日本は、世界でも有数の温泉大国です。日本人と温泉の付き合いには、「癒し」の長い歴史があります。

 日本人は太古の昔から、温泉の効能を体験的に知っていて身体の傷を癒したり、療養したりと思う存分温泉を利用していました。例えば、「鹿教湯温泉」や「白鷺温泉」と言った名前があるように、野生動物が山奥の温泉で傷ついたからだを癒しているところを猟師が見つけ、やがて人間も利用するようになりました。
 温泉のお湯には、水道水や清水にはない特定の成分が含まれています。イオウには解毒作用や皮膚をなめらかにする働きがあり、鉄は貧血に効果があります。各成分の効能を知り、改善したい症状にふさわしい温泉を選べば、いっそう効果的といえます。また、温泉で重要なことは「総合的生体調整作用」があり、わたしたちの生命活動を司る体温・血圧・ホルモンなどの乱れを自然に調整してくれることです。長期滞在型の「湯治」は、この生命活動の乱れた働きを、徐々に正常に戻してくれるという意味でとても効果的です。薬のようにはっきりした効き目があるとは言いがたいですが、温泉はわたしたちの自然治癒力を高めてくれる作用があります。
 たまには、仕事を忘れて家族揃って、あるいは友人・知人と温泉にゆっくりつかり「極楽、極楽」とつぶやきながら心身をリフレッシュしてみましょう。

監修:斎藤 保健師
掲載日:2003年11月15日

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