健康予防医療コラム ~身体活動・運動~

歩き方で年齢がわかる

 高齢になると全般的に体力が低下して足腰の衰えを感じますが、その人の「歩き方」を見ると年齢が推測できます。

 「体力」は、筋力・持久力・柔軟性・平衡性などの要素で成り立っており、若い人はこのバランスが良好ですが、高齢になるとこれらの要素が全般的に低下します。例えば、筋力が低下すればすべてのバランスが崩れてきますが、「歩行能力」を見ることでその人の大まかな体力がわかります。
 「歩行能力」は歩く速さに反映しますが、歩くスピードは男女ともに歳をとるにつれて遅くなります。道路の交差点の青信号は、1分間に60m歩くことを基準にして時間が設定されていますが、東京都老人研究所の調査によると高齢者の多くが急ぎ足で歩かなければ信号が変ってしまいます。高齢者は、どうしても小股になり小刻みに歩くようになりますので、歩行のスピードが落ちて信号が変わる時間に間に合わなくなります。
 歩行能力を維持するためには、出来るだけ散歩をして、普段より早足で歩く練習をする、大股で歩く練習をする、背筋を伸ばし大きく腕を振って歩くなど、日常の心がけで足腰が衰えるのを予防できます。歩くスピードは体力全般の指標になりますので、まず、意識しながら実行しましょう。また、これらは個人差が大変大きなものですから、同じ年齢でも速く歩ける人、そうでない人とさまざまです。若々しさの特徴は、背筋がしゃんと伸びている人とも言えます。いつまでも、日常生活が楽しく送れるように自分の体力は自分で維持し守って行きましょう。

監修:斎藤 保健師
掲載日:2007年03月15日

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