健康予防医療コラム ~身体活動・運動~

猫背予防には胸部後ろ側の筋肉を鍛えましょう

筋肉や靭帯は使わなければどんどん能力が低下します

 筋肉や靭帯は使わなければどんどん能力が低下します。細くなるばかりでなく、動かせば痛みが走るようになります。骨折してギブスをとると、最初は、その関節を伸び縮みさせることが痛くて大変なのは、まさに、使わなかったことが原因であることの証です。そして、そうした筋や靭帯の使用不足と、高齢者に多い猫背とは密接な関係があります。
 背骨(脊椎骨)の中で、胸部の背骨のことを胸椎といい、全部で12個の胸椎があります。頚椎や腰椎と違って、胸椎は肋骨でできた胸郭に囲まれているので、日常生活の中で胸椎の動きは制約されています。そのため、胸椎についている筋肉や靭帯は衰えやすく、特に、上から4番目と5番目の胸椎は圧痛を生じやすくなっている人が多いのです。
 第4、5胸椎の圧痛と猫背に絶対的な結びつきがあるとはいえませんが、高齢の特に女性にその部分が前屈している人が多いことを考えると、日常、前かがみの生活を続けていると徐々に猫背になり、胸椎が変形してしまうものと考えることができます。
 猫背を予防するには、背中を反らすような体操をまめにする必要があります。特に、胸郭によって動きが制限されている胸部を反らすことを意識して行うようにしてください。

監修:生山 匡 先生
掲載日:2004年10月01日

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