健康予防医療コラム ~身体活動・運動~

からだの健康とこころの健康―若者の健康問題

若者の健康問題

 ここに書こうとしていることは、科学的に証明されたことではありません。しかし、大学で学生に教育をしている著者が、最近ひしひしと実感している若者の健康問題です。
 どこでも座る。ホームでも、電車の入り口付近でも、広場でも座る。時には超ミニスカートの女子生徒があぐら座りで座っています。マスコミにもよく取り上げられる若者の社会問題の一つです。
 更に不登校も社会問題の一つで、不登校の児童生徒は増加の一途を辿ってきました。中学生では、1975年には生徒1,000人中5人であったのが、25年後の2000年には1,000人中25人と5倍、40人に1人が不登校生徒です。
 こうした「不登校」や「どこでも座り」の原因はいろいろでしょう。家庭教育や学校教育の悪さが、精神的な弱さとなっているのかもしれません。しかし、日頃の運動不足と運動の質の変化によって、肉体的に正常な生活ができなくなり、それが精神的な面にも影響してきている、それが重大な原因になっているように思えてなりません。
 背筋力はここ数十年低下の一途を辿っています。背筋力は脊柱起立筋といって、姿勢を維持する重要な筋肉ですから、それが「どこでも座り」の重大な原因であるとすでに言われてきました。しかし、筋力低下は背筋力ばかりではどうもなさそうです。学生の中には、手掌の靭帯まで硬化緊張している例が最近見られるようになってきました。そして、そうした学生は、座って授業を受けることが困難で、机にうつぶせになってねています。また、過去に不登校になったことのある学生が多いと思われます。

監修:生山 匡 先生
掲載日:2004年09月15日

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