健康予防医療コラム ~身体活動・運動~

ウオーキングのし過ぎと予防法を考える

「過ぎたるは及ばざるが如し」

 「過ぎたるは及ばざるが如し」といいますね。ウオーキングにも「し過ぎ」の弊害があるといえばあります。が、弊害を予防することはできそうです。
 し過ぎについて論ずるには、その前に、理想的な歩数を明らかにしておく必要があります。しかし、理想的な歩数だって決めるのは容易ではありません。ウオーキングには多くの有益な効果があります。生活習慣病を予防する効果、腰痛や肩こりを予防・改善する効果、ストレスを解消する効果、etc.・・・・。そんな各種ある効果の中で、寿命と1週間当たりの運動による消費カロリーの関係について調べたPaffenbergerという学者の有名な研究報告があります。その報告によると、1週間の運動による消費カロリーが500kcal以下の人はもっとも死亡率が高く、消費カロリーが増えるにつれて、死亡率が低下し、もっとも死亡率が低かったのが2,000〜3,000kcal、そして、3,500kcal以上になると、死亡率がかえって高くなるという結果です。カロリーを歩数に換算すると1週間2,000kcalが1日当たり10,000歩。で、1日10,000歩をとりあえずの理想としましょう。
 こうして考えると、1日20,000歩以上になると、し過ぎの弊害があらわれるといってもよいかもしれません。弊害の最たるものは、足腰、特に膝や足首、足指の骨に現われます。従って、太って足腰に負担がかかりやすい人はもっと少ないほうがよいでしょう。また、ハイヒールを履いて歩きすぎるとやせた人でも外反母趾になる危険があります。履物に注意する必要が出てきます。さらに、食事の後に歩きすぎるのを避けることが胃腸の健康を守るために大切です。

監修:生山 匡 先生
掲載日:2004年09月01日

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