健康予防医療コラム ~身体活動・運動~
運動によって高齢者の自立能力が回復
脳卒中、障害、老齢などが原因で生活を自立できなくなった高齢者でも、運動によって自立能力がある程度回復するとの研究結果が報告されました。
脳卒中、障害、老齢などが原因で生活を自立できなくなった高齢者でも、運動によって自立能力がある程度回復するとの研究結果が、アメリカ、フロリダ大学内科のJohn Meuleman 准教授などによって報告されました。
歩行、入浴、衣服の着脱、食事、ベッドへの出入りなど13項目の簡単な日常活動のうち、介助を必要とする項目が1つ以上ある平均75歳の高齢者58名から半数を無作為に選んで、週に3回のウエートトレーニングと週に2回のエアロビック運動を4〜8週間にわたって行なってもらいました。その結果、色々な改善を見ることができて、例えば、膝を伸ばす力が平均78%増えたのをはじめ、他の7種類の運動の増加量は2〜3倍でした。13項目の日常活動について点数を26点満点で評価した場合、平均3点向上し、日常生活の自立性が高くなりました。更に、トレーニング後に入院する件数や死亡率が低く、入院期間も短くてすみました。
このような結果は、無論、専門家の指導の下に実施すべきであり、残念ながら日本ではまだ研究はほとんどなされていません。しかし、介助を受けるようになった高齢者でも、運動によって自立性がある程度回復し、日常生活の質がよくなることを示している点で朗報といえるでしょう。