健康予防医療コラム ~身体活動・運動~

運動によるアルツハイマー病予防効果

若年齢からの運動が、アルツハイマー病の発病を予防する効果があるとの注目すべき調査結果が報告されました。

 若年齢からの運動が、アルツハイマー病の発病を予防する効果があるとの注目すべき調査結果が報告されました。
 アメリカ・オハイオ州のケースウエスタンリザーブ大学の臨床研究員、Arthur L. Smith博士らは、アルツハイマー病患者126名とアルツハイマー病ではない247名の合計373名の高齢者を対象にして、彼らの59歳以前の運動歴を調査しました。ただし、アルツハイマー病の患者本人に調査をしても正確な回答を得ることはできないので、回答は家族が行いました。
 分析は、373名の対象者を、2つの群に分けて行いました。若くからテニスや水泳など各種のスポーツに親しんでいたかどうかで身体活動度スコアを求め、高活動群と低活動群に分類しました。その結果、低活動群は高活動群よりも3.5倍もアルツハイマー病の発病率が高かったとの報告です。
 なぜ運動をしてきたことがアルツハイマー病の予防につながるのか、その理由は全く不明です。しかし、アルツハイマー病の発病率が先進国で増加の一途を辿っているということは、日常生活の西欧化が発病の誘引になっていると考えてよいでしょう。従って、生活が便利になり、日常の身体活動量が減少してきたことが発病増加の原因の一つかもしれません。

監修:生山 匡 先生
掲載日:2004年05月15日

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