健康予防医療コラム ~身体活動・運動~
運動療法で血液サラサラ
健康な人もそうでない人も、運動の習慣をつけましょう。今や運動も「薬」のひとつと考えられるようになりました。毎日、少しずつ続けることで血液の流れがよくなるのです。
運動が身体にもたらす効果は、血液のHDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やしてLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を体外に出し、中性脂肪も下がり、結果として血液がサラサラになるのです。また、心肺機能が上がり、筋肉や骨が強くなり、肥満を防ぎストレス解消にもなります。
生活習慣病の予防や改善のために、治療としておこなわれるのが運動療法です。例えば、関西医科大学健康科学センターでは、治療の目的で医師の処方に基づいて安全で効果的な運動療法を実施しています。心筋梗塞後のリハビリテーションも、薬を飲みながら運動しているので保険の適用にもなっています。
しかし、現在、病気で治療している人は自己流でやみくもに運動するのは危険です。
そのためには、主治医→運動療法外来→運動負荷試験→運動処方箋発行→運動療法の実施→効果の判定(3ヵ月後)という順序を踏んでいきます。その人の症状や体質など個別性を考えて運動療法を計画するようにしています。
健康な人もいざ運動!と決意しても3日坊主になってしまいます。運動を始めて1年間継続できる人は約3割です。身体に良いことはわかっていても時間がとれない、施設がない、飽きてしまうなどの理由でやめてしまいがちなものです。運動を義務に感じていませんか?続けるコツは、まずは楽しむこと、仲間と行うことなど自分の性格や趣味を考えながらしましょう。身体を動かすことの楽しみや神経反射の向上を実感できれば、自然と続けられるようになります。毎日ご飯を食べることと同じように運動も続けると3ヶ月〜6ヶ月で効果が現れてきます。継続はまさに力なり、ということです。
監修:斎藤 保健師
掲載日:2004年05月01日