健康予防医療コラム ~身体活動・運動~
感動した出来事
健康的な生活習慣の基本の基本
これこそ運動健康法の真髄だ、この気持ちがあれば誰でも健康になれる、と私を感激させてくれた母子がいます。東京駅新幹線に乗車する前に、ホーム下の待合コーナーで見かけた出来事です。
ホームに行くには当然階段をのぼるかエスカレータを利用することになります。東京駅新幹線の場合、階段の数は50段。普通のビルでは1階分の階段の数は約20段。したがって、東京駅新幹線の場合、普通のビルの2階と半分の階段をのぼることになります。階段の下に立って見上げると、「結構長い階段が続いているな」と無意識に感じてしまうのは当たり前。そんな状況で横にエスカレータがあれば、無意識にエスカレータに足が向かうのも必然です。
新幹線に乗って出張する時に時間があれば、ホーム下の待合コーナーで、階段をのぼる人の割合を数えることにしています。まあ平均すると階段を利用する人は30人に一人。エスカレータのお急ぎレーンを歩く人は、およそ10人に一人です。ヒトは本来「楽」な方がいいのだな、と改めて感じているのです。本当は、こんなちょっとしたことを利用して運動不足解消に役立てればいいのになと思いながら・・・・。
そんな折に出遭ったのが私を感激させたお母さんとその子供。その子供は年端の行かない幼子で、まだ1段づつ連続で階段をあがれないのです。1段づつ両足を踏みながら階段をのぼる、お母さんがその手をつないで上がるのです。当然時間はかかりますが、一歩一歩踏みしめてホームにたどり着きました。こんなことは、お母さんが意識していなければできることではありません。運動不足を解消するのが目的ではないかもしれませんが、日頃から少しずつ「意識的」に実践する、これぞ運動健康法の真髄といえますね。