健康予防医療コラム ~身体活動・運動~
背筋運動は閉経後女性の脊椎骨折を予防する
背筋運動は閉経後女性の脊椎骨折を予防する
閉経後の女性は、女性ホルモンの分泌量が欠乏するので骨粗しょう症が進みやすいこと、また、大腿部頚部骨折と脊椎骨圧迫骨折で寝たきりを余儀なくされることが問題ですが、脊椎骨折の予防のために、背筋のトレーニングが有効であるとの研究結果が、アメリカのMehrsheed Sinaki博士によって報告されました。
58〜75歳の女性を対象にして、2年間にわたり、27名は背筋運動群、23名は運動をしない群とし、その後8年間の骨折リスク調べると、運動群に比べて、運動をしなかった群は、(1)骨折の発生率が2.7倍高かった (2)背筋力(最大等尺性背進展力)の低下が大きかった (3)骨密度の低下が大きかったという報告です。2年間行った運動は、背筋力の30%に相当する重量のもの(最大で20kg程度)をいれたバックを背にして、腹ばいで横になり1週間に5日、1日1回、10回の背をそらしてバックを持ち上げるという運動です。この報告は、運動を少し努力して行えば、骨粗しょう症の予防に役立つことを意味しています。