健康予防医療コラム ~身体活動・運動~

高齢者ではわずかの歩行でも心臓病予防効果

心筋梗塞や狭心症を予防するための運動は、軽くても心臓の冠状動脈疾患のリスクが小さくなるとの研究結果が報告されました。

 心筋梗塞や狭心症を予防するための運動は、軽くても心臓の冠状動脈疾患のリスクが小さくなるとの研究結果が報告されました。
 これまでの研究では、心筋梗塞や狭心症を予防するための運動は、ある程度の強さである程度の運動量を行う必要があるといわれてきました。しかし、日頃の身体活動が少なくなる高齢者では、中年なら少ないと思われる程度の軽い運動量でも、心臓の冠状動脈疾患のリスクが小さくなるとの研究結果が報告された。
 アメリカ、バージニア大学のRobert D. Abbot教授らは、平均78歳(71歳〜93歳)の高齢者2,678名を対象に2〜4年間追跡調査を行いました。その結果、1日1.5マイル(2.4km)以上歩いている人は、4分の1マイル(0.4km)以下しか歩かない人に比べて、冠動脈心疾患のリスクが約50%減少し、4分の1マイルから1.5マイルの人より約40%減少したことを、高名な医学雑誌Circulationに報告しました。
 2.4kmをゆっくり歩くと約3,500〜4,000歩、30分〜40分です。現在の日本人の1日平均歩数は約7,000〜8,000歩。従ってその約半分なので、それほど多い歩数ではありません。この結果は、年齢が高くなってきた高齢者にとっては朗報といえるでしょう。

監修:生山 匡 先生
掲載日:2003年12月01日

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