健康予防医療コラム ~身体活動・運動~

忙しい人のための運動は

 従来は、ウォーキングなどの有酸素運動は、20分以上続けないと運動の効果としては期待できないと言われていました。勿論、一定時間長くおこなうのが良いのですが、少しずつ身体を動かすだけでも減量や健康づくりには役に立つことが、トレーニングの先進国であるアメリカの研究でわかりました。
 有酸素運動に筋力トレーニングをとり入れることで、心肺機能や全身の筋肉が強化されます。呼吸を止めないでおこなう有酸素運動は、普段の呼吸よりも酸素を多く取り込み、二酸化炭素も吐き出すので、心肺機能が活性化されます。また、筋力トレーニングの「スクワット」は下半身全体の筋肉を使い、さらに腹筋や背筋も働くため足腰の弱ってきた高齢者にもお勧めできますし、骨粗しょう症の予防にもなります。女優の森光子さんは、いつまでも元気で舞台に立ちたいとの思いから、このスクワットを毎日続けているそうです。
 1日のうち、ちょっとした時間に筋力トレーニングをおこなえば、仕事中の身体の疲れやストレスも解消され、全身に酸素が行きわたり自分の細胞が元気になることを実感できるはずです。スクワットの方法は、両足を肩幅まで開き、ゆっくりと膝の曲げ伸ばしをします。しゃがむときは、お尻を少し突き出すようにして、膝は曲げたときにつま先からでないように床と平行になるくらいまで曲げます。動作はゆっくりと、呼吸は力を入れるときには吐いて、抜くときには吸うのが原則です。  このような筋力トレーニングとウォーキングを組み合わせて運動をすると、いつの間にか生活体力がついて身体の脂肪も取れていたということになります。

監修:斎藤 保健師
掲載日:2003年11月15日

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