健康予防医療コラム ~栄養・食生活~
かくれ肥満の発見が容易に
簡単な計算で肥満の程度や「かくれ肥満」を見つける方法が考案されました。
独協医大と虎ノ門病院の合同研究チームが、新しい肥満の指標を考えました。これは、ウエストのサイズを身長で割って計算するだけの簡単な方法です。人間ドック受診者の約8500人のデータ分析を基に、この値が0.5以上だと「かくれ肥満」となり生活習慣病の危険が高くなることがわかりました。
最近は、肥満の指標には国際的な尺度として日本でもBMI(体格指数)が使われています。しかし、BMIは体重を身長の2乗で割るので計算が面倒であること、一般の人にはなじみが薄いこと、身長と体重の数値を使うため必ずしも腹部の肥満を十分に反映していないという指摘がありました。
生活習慣病で特に問題になるのは、内臓周辺に脂肪がたまる「かくれ肥満」であることから、研究チームは虎ノ門病院の人間ドック受診者のウエストサイズをひとり一人測定してデータを分析しました。この結果、男性で高血糖の人は計算した値が0.5未満だと5.9%ですが、0.5以上だと10.5%に増え、また、中性脂肪の高い人は0.5未満では13.4%、0.5以上では25.5%と大きな差がでました。
今後は、日常的にも簡単に肥満度を計算して、「これ以上ウエストが太らないようにしょう」と自分で注意することができます。
監修:斎藤 保健師
掲載日:2007年01月15日