健康予防医療コラム ~栄養・食生活~

ナットウキナーゼがアメリカで人気

納豆に含まれているナットウキナーゼについて、アメリカの学術誌に相次いで掲載され、話題になっています。

 アメリカの「ヘルスサイエンス インスティチュート」には、「ウロキナーゼ、医薬品プラスミンより有効!」というタイトルでナットウキナーゼによって血栓の溶解や血流改善作用が見られたと報じています。論文では、血流改善のラットの実験においてプラスミンが16%の改善率であるのに対してナットウキナーゼは62%と驚異的な改善率を示したとし、ヒトに対しても納豆を200g/日摂取することで凝血(血の塊)が2時間以内で48%消失したことを報告しています。また、心臓血管系の病気には既存の薬よりも有効であるとコメントし、安全性に関しても全く問題がなかったとするデータを紹介しています。
 ナットウキナーゼの発見者は、倉敷芸術科学大学の須見洋行教授(医学博士)。「ナットウキナーゼは、身体の中で血液が固まって悪さをするのを防ぐ効果が抜群。その上、血栓を溶かすウロキナーゼという酵素を活性化する作用も、食品の中でも最も強い」と話しています。納豆1パックを食べた後、4〜12時間と長時間にわたり血液の流れをよくしてくれるとのこと。脳血栓などの発症原因となるフィブリンを溶解する作用が、既に解明されており、現在も納豆中の有効成分についての研究がおこなわれています。
 日本人にはおなじみの納豆ですが、これからはアメリカやヨーロッパでも形を変えて工夫され、市場に出回る日も近いといえます。

監修:斎藤 保健師
掲載日:2006年12月15日

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