健康予防医療コラム ~栄養・食生活~

塩分の摂り過ぎにご注意を

塩分を摂り過ぎると血圧が高くなります。一日の塩分摂取量は10gではなく、8g以下が望ましいでしょう。

 塩分を摂り過ぎるとのどが渇くので水分をとることになります。体内に入った食塩中のナトリウム(Na)は、この水分を体内に引き止めるという働きをするので、体液の量(血液や組織液)が増えます。この結果、血管中の血液量も増えて血圧が高くなります。また、ナトリウムを摂り過ぎると、血管壁を作る細胞の中にナトリウムが水と一緒に入り込んで、動脈の先端の内壁細胞が膨張し、血管が細くなります。狭い血管の中を、多くなった血液が流れようとして、血圧が上がるのです。
 では、塩分の摂り過ぎを控えれば、血圧は下がるでしょうか。理論的には下がるといえますが、血圧にはナトリウム以外にも、いろいろな因子が関与していますので、一概には言い切ることができません。しかし、血圧の高い人が、塩分を控えて、定期的に運動をして肥満を予防していれば、血圧値が正常に近づくことは証明されています。
 一日にどのくらいの塩分を摂ればいいのかということですが、厚生労働省ではだいたい10g以下を目安としています。日本人は伝統的に塩分をかなり多く摂っており、欧米諸国の1.5〜2倍は多いでしょう。高血圧症やこれに関連して起こる脳卒中、動脈硬化、心臓病、糖尿病などの生活習慣病を予防するためには、減塩を心がけることが大切です。また、年に一回ぐらいは、塩分摂取量を調べてみるのもいいでしょう。尿検査で簡単にわかりますので、食生活の目安を見るのに役立ちます。

監修:斎藤 保健師
掲載日:2006年11月01日

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