健康予防医療コラム ~栄養・食生活~

夏バテ予防にお酢を

日本では昔からいろいろな料理にお酢が使われていました。最近では、健康にもよいと注目されています。毎日の食事にも積極的に取り入れて来るべき夏に備えましょう。

 酢の主成分である有機酸には、体内の老廃物を分解する働きがあり疲労を回復させる力があります。夏バテで食欲がなくても、さっぱりとした酢の物は食べられたという経験があると思います。これは、酢の酸味が嗅覚や味覚を刺激して唾液や胃酸の分泌を促進させるからで、唾液の量が増えれば食欲が増して消化吸収もよくなります。
 また、酢のもう一つの主成分である酢酸には抗菌作用があります。夏のお弁当に酢を加えたり生魚を酢でしめたりするのは、美味しくすると同時にいたみにくくする工夫でもあります。更に、酢には素材に含まれているカルシウムを引き出す力もあります。骨付きの肉をしょうゆと酢で煮ると、骨の中のカルシウムが煮汁に溶け出して食べやすくなり、小あじやイワシなども酢で煮れば骨まで軟らかくなります。
 その他、塩分の摂りすぎに気をつけている人にとっては、酢はすぐれた調味料といえます。塩分控えめの料理は味気がない、美味しくないという人は、酢を足してみましょう。野菜のおひたしにかけるしょうゆの量を半分にしてかわりに酢をかけたり、炒め物にも酢をひとかけすると味が引き締まり、脂っぽさがなくなります。
 お酢は「合わせ酢」という言葉があるように、どんな調味料とも相性がよく使いやすいので、寿司飯、酢の物、煮物、揚げ物、炒め物、サラダのドレッシングなどいろいろな料理に積極的に活用して、夏を乗り切りましょう。

監修:斎藤 保健師
掲載日:2006年09月15日

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