健康予防医療コラム ~栄養・食生活~

連載5 理想的な食生活とは?

赤ちゃん生むなら不可欠な「葉酸」

 平成13年度の国民栄養調査の結果によると20代、30代女性の1日あたりの葉酸摂取量は約260μgで所要量の400μgをはるかに下回っています。
 葉酸とはビタミンB群の1種で緑黄色野菜や豆類に多く含まれる栄養素です。しかし非常にデリケートな栄養素であるため新鮮な野菜類を手短に調理して食べるといった努力をしないと材料に含まれている分をそのまま摂取することさえ非常に難しいのです。
 妊娠の可能性のある女性にとってこれが特別な栄養素である理由は、生まれてくる赤ちゃんの二分脊椎や無脳症といった「神経管欠損症」という病気の予防に効果があるためです。イギリスの報告では1日400μgの葉酸を投与したところ神経管欠損症の72%の予防が可能であるとのことです。日本の厚生省も2000年には葉酸の400μgの摂取を呼びかけており、特に妊娠の1ヶ月前から妊娠3ヶ月までの期間、葉酸を栄養補助食品の形で補給することも薦めています。
 現実の生活では必要量に至っていない典型的な栄養素「葉酸」。正しい情報さえあればサプリメントも上手に食生活にとり入れることでこういった病気が予防可能なのです。

監修:古田 裕子 先生
掲載日:2006年01月01日

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