健康予防医療コラム ~栄養・食生活~

高血圧の人のための食事のポイント

高血圧といえば減塩

 高血圧といえば減塩!欧米では1日の推奨塩分量は6g/日未満と私たち日本人にとってはかなり高いハードルです。過剰な塩分の摂取を控えることは骨粗しょう症の予防の観点からも重要なことですから引き続き塩分に対する監視はし続けながらも、それ以外でも血圧に対しては有効な食事の仕方が明らかになってきていますから、その両方を上手に組み合わせて自分自身の食習慣の改善と体調の改善に役立てることができれば苦痛も少しへらせます。

 従来から果物や野菜に含まれるカリウム、マグネシウム、カルシウムといった栄養素が血圧をコントロールするのに有効であることが知られていました。アメリカではDietary Approaches to Stop Hypertension (DASH)食摂取における大規模な臨床試験が行われ中等度の高血圧患者において有意な降圧が認められました。DASH食とは低脂肪乳製品ならびに野菜・果物の多い食事のことです。日本人の平均的な食事に食物繊維、カリウム、マグネシウム、カルシウムをプラスしたものと考えてよいでしょう。すでに糖尿病や腎障害のある患者さんにとってはリスクを伴う食事療法ですから栄養士さんなどからの専門的な指導が必要となりますが、高血圧に肥満を伴いこのまま放置は危険という方にとっては試してみる価値のある食事法です。

監修:古田 裕子 先生
掲載日:2005年10月15日

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