健康予防医療コラム ~栄養・食生活~
低炭水化物ダイエットにかげり!
ブームを巻き起こしたダイエット法
「炭水化物の摂取を極限まで減らし肉や魚は好きなだけ食べてよい」アメリカで大きなブームを巻き起こしたダイエット法でしたが、最近ではかげりが見えているという報道を目にしました。
炭水化物は糖質とも呼び、いわゆる体の直接のエネルギーになる非常に重要な栄養素です。特に脳は糖質の最小単位のブドウ糖しか使うことができません。糖質は肝臓、筋肉、血液中に存在していますが、わずか500グラム程度しか身体に蓄えておくことができず、常に使われ続けているとても大切な栄養素です。筋肉中の糖質は水と一緒になってグリコーゲンとして蓄えられています。
糖質をとらないで、肉・魚などのたんぱく質ばかり食べていると筋肉からは水が抜けていくのです。つまり脱水が起こるのです。体の60%は水ですから水が減ることは体重減には非常に有効です。ただし、水も糖質も身体にとって非常に大切なものですからからだはそんな危険な状況に常に耐え続けて体重を減らし続けることはないのです。現に1年間の比較実験では低炭水化物ダイエット実践者は通常の食事をしている人と同じ状態に戻っているのです。確かに最初のうちは体重が減るのですがリバウンドするのです。
体本来の働きを考えたとき、炭水化物をとって、それをエネルギー源として使う運動をし、また補給するというシンプルな方法こそが健康的なからだの維持につながるのです。
監修:古田 裕子 先生
掲載日:2005年09月15日