健康予防医療コラム ~栄養・食生活~

タロ芋がアレルギー予防に有効!?

ミクロネシアの伝統的な食事をとっているとアレルギーが少ない

 ハワイに行ったことがある方の中には、もともと誕生日や結婚式などの祝い事の際に催されるハワイの伝統的な宴会である「ルアウ」を楽しんだ経験をお持ちの方も少なくないと思いますが、そこで供されるローカル料理のひとつに、タロ芋をすってペースト状にした「ポイ」というものがあります。これは昔からミクロネシア人が好んで食べる主食のひとつで、高カロリーであることから離乳食にも用いられるとのことです。

 先日ハワイ在住の方から、このポイを常食としている人たちや離乳食として食べた子どもたちには不思議とアレルギーが少ないという話を聞きました。タロ芋とアレルギーの関係は科学的には明らかにされていないようですが、ミクロネシア人の間では古くから伝承医学的に伝わっているのだそうです。日本とミクロネシアやハワイとでは気候風土も異なりますから一概にはいえませんが、アレルギーの人が急増している日本のことを考えると非常に興味深い話でした。

 タロ芋をすりおろすのが大変なため、ハワイでは現在、タロ芋をすりおろしたものを乾燥させ粉末状にした商品も出回り、それを牛乳に溶かして離乳食代わりに子どもに与える親も少なくないそうです。ただ、牛乳そのものがアレルゲン(アレルギーの原因となるもの)となる場合もありますから、このような離乳食よりもジュースに溶かしたりするほうが、アレルギー予防にはより効果的なのではないかと思います。

監修:古田 裕子 先生
掲載日:2005年07月01日

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