健康予防医療コラム ~栄養・食生活~

連載11 理想的な食生活とは?

高血圧には高カリウム食品

 高血圧の状態が続くことで起こる恐ろしい代表的な病気が脳卒中です。南カリフォルニアに住む50歳以上の男女859名の食事を分析した結果、食事に含まれるわずかなカリウムの量の違いが12年後の脳卒中による死亡に大きな影響を与えていたという興味深い研究があります。また、血圧の高い人たちは1日のカリウム摂取量を、所要量の2000ミリグラムよりも多い3500ミリグラムに設定すると、脳卒中のリスクを確実に下げることができるという研究結果も出ています。
 カリウムが多く含まれている食品は野菜や果物、ヨーグルトなどの乳製品で、意外なところではイワシなどの魚にも多く含まれています。高血圧の人たちにとってナトリウムの制限以外にできる積極的な対策として、野菜、果物、乳製品、魚を食事メニューにとりいれることがおすすめです。ただし、体重増加は血圧のコントロールにはマイナスですから、食事メニューに積極的にとり入れるものがある以上、その代わりに減らすものを決めておかなければなりません。
 ナトリウム以外の血圧を上げる要素としては飽和脂肪(常温で固体であることが特徴、肉の脂、バター、マーガリンなど)、アルコールがあります。肉、肉加工食品、洋風の食事、卵などを使ったメニューの代わりに、野菜や果物を使ったメニューに切り替えることが上手なバランスのとり方です。朝はフレッシュフルーツ、ヨーグルトに野菜ジュースを定番メニューとして試してみてはいかがでしょう?

監修:古田 裕子 先生
掲載日:2005年06月15日

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