健康予防医療コラム ~栄養・食生活~
連載10 理想的な食生活とは?
「高血圧の薬」と同じような働きをする栄養素
血圧の薬にカルシウム拮抗剤というものがあります。細胞内のカルシウム濃度が上がると筋肉は緊張し、それが血管の場合には血圧が上がるという結果をもたらすのです。
カルシウム拮抗剤とはカルシウムが細胞内に入るのを邪魔してくれるといった働きの薬です。その結果血圧の上昇を抑えるのです。「カルシウムって血圧をあげてしまうの?」そうではありません。そもそもカルシウムは骨や血液中といった細胞の外にあるべきものなのにそれが細胞内に過剰に入っていくことが問題なのです。
カルシウムが余分に細胞内に入ることを防ぐ役割の栄養素の代表がマグネシウムです。筋肉の細胞の中と外をカルシウムが出入りするための蛇口を閉める働きにマグネシウムが関与しているのです。
開ける働きはというと、これはナトリウムがその働きを担っています。食事からとるカルシウムが不足してもカルシウムを細胞内にとりこんでしまう蛇口は開きったぱなしになってしまう可能性も指摘されています。
監修:古田 裕子 先生
掲載日:2005年06月01日