健康予防医療コラム ~栄養・食生活~
食欲を抑制する新しい化合物の発見
食欲を抑制する物質としてC75が発見されました。
食欲を抑制する物質として有名なのは、脂肪細胞が作るレプチンというたんぱく質ですが、今回の発見した物質―C75は、食欲を調節する脳内にあることが特徴です。
食欲中枢は脳の視床下部の中にありますが、絶食をすると食欲中枢にあるニューロペプチドY(NPY)と呼ばれるホルモンが増加して、食欲が急激に増加します。ところが、C75は食欲を増加させるNPYの産生を減少させるので食欲が減少し、結果として体重が減るわけです。この発見をしたアメリカ・ジョンズホプキンス大学のFrank Kuhajda博士らによると、マウスにC75を注射すると、マウスは摂食が90%以上すくなくなるとのこと。ただし、消失した食欲は数日で回復するそうです。
この研究はあくまでも動物実験でのことで、人間に応用できるかどうかはまだこれからの課題です。
監修:生山 匡 先生
掲載日:2005年03月15日