健康予防医療コラム ~栄養・食生活~

トピックス「七草粥」

七草粥は優れたメニュー!

 昔から1月7日には、1年の邪気を払うことを願って七草粥を食べる風習がありますが、もともとは中国から平安時代初期に伝わったとされています。また、当時の七草粥は七種の穀物で作られた七種粥であったとする説もあり、その七種の穀物とは米、粟、きび、ひえ、みの、胡麻、小豆です。せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろという、現在に伝わる材料を粥に入れる形になったのは鎌倉時代に入ってからといわれています。
 平安時代からの風習であるため魔除けを願う気持ちが強く、七草をまな板の上にのせてすりこ木で叩いたり、七草を刻むときに包丁でまな板を7回叩くということなども行われていたそうです。
 江戸時代に入ると1月7日が「人日」という五節句のうちの1つの祝日に定められたこともあって、全国的に庶民の間でも七草粥を食べる風習が広まり、それが今日に受け継がれてきたとされています。また、現在では土地によって七草の組み合わせにはいろいろなバリエーションがあるようです。
 体にとっても七草粥は、柔らかく炊いた粥と野菜が、おせち料理や新年会のご馳走や酒などで疲れた胃腸をいたわり、不足しがちなビタミンなどを補うことのできる優れたメニューであるといえるでしょう。

   参考:日本の食卓文化考(熊倉功夫)
     華やかな初春 祝・美・膳(白井操)
     こんなときこの食べものが効く(木下勤)
     続・こんなときこの食べものが効く

監修:古田 裕子 先生
掲載日:2005年01月01日

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