健康予防医療コラム ~栄養・食生活~

ストレスと栄養素

ビタミンCとトリプトファンが決め手!!

 どうしても耐えられないストレスであればストレッサー(ストレスの原因)を取り除くしかありませんが、避けられないストレスがあるというのもまた事実です。
 ストレス状態が続くと体内でビタミンCが急激に消費され、免疫力が低下することが明らかになっています。また、ストレス状態に陥った際に脳下垂体から分泌される痛みや不安を和らげるβ‐エンドルフィンはコレステロールとビタミンCから合成され、たんぱく質が酵素として働いています。
 一方、さまざまな食品のたんぱく質に含まれる必須アミノ酸のひとつトリプトファンは、脳に運ばれビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムとともに、鎮痛、催眠、精神安定などの作用がある神経伝達物質セロトニンをつくります。このセロトニンはアメリカでは天然の催眠剤や精神安定剤として注目されているほか、セロトニンの濃度異常がうつ病と関係しているとの研究報告もあります。
 また、トリプトファンは脳に刺激を与える神経伝達物質ドーパミンやノルエピネフリン(ノルアドレナリン)をつくる際にも働き、脳や行動障害治療にも有効なことからうつ症状や不眠などの解消に利用するべく研究が進められています。

監修:古田 裕子 先生
掲載日:2004年11月15日

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