健康予防医療コラム ~栄養・食生活~

痛風と栄養素

かつてはぜいたく病といわれたが?!

 最近、通風発作までは至らないまでも、健康診断時に尿酸値が高いことを指摘される人が、特に若い世代で増えているようです。一般に血中尿酸値が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断され、尿酸の結晶ができやすくなるとされています。その結晶が関節周囲にたまって炎症が生じ非常に激しい痛みが生じた状態が痛風発作です。
 以前は、肉類などプリン体の多い食事や大量の飲酒が発作の引き金になることから「ぜいたく病」とも呼ばれていましたが、原因はそれだけではなく、体内で尿酸をつくりやすい人、激しい運動や急激な減量によって体内の組織の分解が進むことで血中尿酸値が上がるなど、さまざまなケースがあります。また、通風は女性には少なく、患者の約90%は30〜40代以降の男性です。これはストレスやアルコールの大量摂取、この年代から始まる各種の投薬が原因とも考えられます。
 痛風の痛みは足の指に出るもの、と一般的には考えられていますが、足の甲や足首、膝や股関節、手首や手の指の関節に至るまで症状が出ることがあります。尿酸値を高いまま放置しておくと腎機能を著しく低下させ、最終的には人工透析に至ることもあるため十分な注意が必要です。

監修:古田 裕子 先生
掲載日:2004年10月15日

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