健康予防医療コラム ~栄養・食生活~

膝の痛みと栄養素

体脂肪の増加が元凶?!

 中年以降、体脂肪量が10kg増加した人の約90%が60〜70歳で膝の痛みを訴えるようになるとの統計があります。そして、この人たちが自分の若い頃の体重に戻れば、その約半数は症状が改善するといわれています。加齢によって関節そのものが劣化していても、体重が減ることで膝の関節に加わる負荷も減るため痛みが緩和されるのです。ただし、骨がトゲ状になって痛みを生じている場合もあるので、膝に痛みを感じたらまず専門医の診察を受けましょう。
 膝関節の劣化はリハビリである程度修復が可能で、太腿の筋力トレーニングを組み合わせることで症状が改善するケースが数多く報告されています。リハビリを行うと、まずそこに核となるたんぱくがつくられ、その周りに保水性の高い物質が付着して組織の修復が効率よく行われます。
 リハビリによって形成される核となるたんぱくのもとはたんぱく質ですが、そのまわりに付着するものはグルコサミンをもとにつくられるグルコサミノグリカンやコンドロイチン硫酸といったムコ多糖類という物質で、ムコ多糖類には体の細胞が正常に維持されるように、組織に保水性や弾力性を与える働きがあります。また、ビタミンCも関節軟骨形成の材料になっています。
監修:古田 裕子 先生

監修:古田 裕子 先生
掲載日:2004年10月15日

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