健康予防医療コラム ~栄養・食生活~
夏バテ対策と栄養素(1)
大量の発汗によって失われるミネラルの補給に注目!
日本の高温多湿の夏には発汗量が増加しますから、外出の機会が多い人、屋外で仕事をしている人、スポーツをしている人などはこの発汗対策が非常に重要になってきます。汗の中には水分のほかに鉄やカルシウム、カリウム、ナトリウムなど人間にとって不可欠のミネラルが含まれているため、大量に発汗するとこうしたミネラルが失われ、その不足状態が続くことによって夏ばての症状が現れることもあるのです。
ただし、発汗によって失われるミネラルというと汗=塩(ナトリウム)と思われがちですが、今の日本人の食事ではナトリウムは不足どころか逆に過剰気味です。したがって、カリウムやマグネシウム、鉄などの補給に気をつけましょう。特に、カリウムは血中濃度をはるかに上回る濃度で汗と尿の中に排出されているという調査結果もありますから、特に注意が必要です。
夏の暑いときの食事というと冷たくてのど越しのよいそうめんやざるそばなどが好まれますが、こうした食事に頼っているとたんぱく質やミネラル不足によって夏バテを助長する危険性がありますから、プロテインやアミノ酸、マルチ・ミネラルのサプリメントで補うとよいでしょう。
監修:古田 裕子 先生
掲載日:2004年08月01日