健康予防医療コラム ~栄養・食生活~

食物繊維で心臓病のリスクが減った!

食物繊維で心臓病のリスクが減った!

 米国ミネソタ大学は、2004年2月23日号の内科学アーカイブスに、米国、フィンランド、デンマークなどで、33万6244人の男女を対象とし、食物繊維と心臓病のリスクに関連する6〜10年間の追跡調査の結果を報告しました。
 内容は、食物繊維の摂取量を10グラム増やすと動脈疾患にかかるリスク、心筋梗塞など冠動脈疾患で死亡するリスクが低くなった(19%)ということですが、おもしろいのは、穀物由来、果物由来、野菜由来の食物繊維のうち、穀物と果物由来の食物繊維が関連するというところです。
 では、穀物と果物由来の食物繊維と野菜由来のものとの違いは、何でしょう?一番の違いは、穀物と果物由来のものには、水溶性食物繊維が多く、食品の水分を抱き込んでドロッとした状態になるということです。水には溶けますが、人間の消化液によって消化されることはなく、身体に好ましくない物質の吸収を妨げ、便として排泄させます。
 冠動脈疾患を予防するメカニズムとして、血清脂質の改善、血圧の低下、インスリン感受性の改善などが、考えられています。これらの改善にいたる過程に水溶性食物繊維の働きが大きくかかわっていることが、わかっています。
 コンビニなどで見かける、ライ麦パンのサンドイッチ、ごぼうサラダ、こんにゃくゼリー、海藻や、きのこ、豆のサラダなどは、食物繊維たっぷりのローカロリーでからだにやさしい食べ物といえますね。

監修:村井 保健師
掲載日:2004年07月15日

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