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がんばりすぎないで!在宅介護の負担を減らす方法

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

在宅介護を続けるにあたって、自分自身のメンテナンスはとても重要です。前回は、介護する方の体を守りながら、少ない力で介助するコツをご紹介しました。
しかし、腰や膝などを痛めにくい介助方法を知っているだけでは、在宅介護する方の負担を減らすことはできません。

日々の介護に精一杯で、自分の体の不調を労わることを忘れていませんか?
慢性的な痛みを抱えたまま介護を続けていたら、自分が先に参ってしまうかもしれません。
そうなれば、在宅介護そのものが破綻してしまいます。

いつまで続くかわからない介護生活を乗り切るためには、自分自身の心身のメンテナンスが重要です。
どうすれば介護の負担そのものを減らせるのか、根本的な解決方法を探っていきましょう。

● 自分のポリシーを曲げてでも、介護や家事を「休む」
痛みやつらさを我慢しながら介護を続けている方に、私はこんなふうにアドバイスしています。

「少し体を休めた方がいいんじゃない?」
「しばらく、介護サービスに任せる比重を増やしてみたら?」

この言葉を「自分がラクをして介護を人に任せるなんて」と感じた方もいるかもしれません。
がんばりすぎている方ほど、がんばっている自覚がなく、むしろ「もっとちゃんとしなくては」と考えてしまうところがあるようです。

なかには、「やり残したことがあると、気分がすっきりしないから」「やらないほうが、ストレスがたまるのよ」とおっしゃる方もいます。

自分の体は、二の次。体がつらくても、いつもと同じように介護に手をかける。
汚れた台所やたまった洗濯物などが気になって、疲れていてもつい動いてしまう。

在宅介護は体が資本ですから、痛みやつらさを抱えたままでは長続きしません。
時には自分のポリシーや価値観に背いてでも、「自分の体を守ること」を優先しなくてはならないことがあります。

たとえ、やることが山積みになっていても、「それでも今は休む」という時間をぜひ、つくってください。
強い意志をもって「休む」をしないと、あなたの体を守ることはできないのです。


● 在宅介護でも「自分の時間」をつくることはできる
在宅介護で、「自分の時間なんてないのが当たり前」になっている介護者の方は、介護をがんばりすぎています。
知らないうちに除外してきた「自分をメンテナンスする時間」を、あえて生活のなかに組み込むことからはじめてみてください。

たとえば「週に1回、マッサージに通う」とか「毎日30分は散歩して気分転換する」など。
好きなことをする時間、ゆっくりお茶を飲んだり、本を読んだりする時間も、心の健康を保つためにはとても大事です。

まずはケアマネジャーの方に相談してみてみましょう。
介護から離れて自分の心身と向き合う大切さを、ケアマネジャーの方ならよく知っています。
どうしたらその時間をつくれるか、一緒に考えてくれるはずです。

また、ご家族や周りの人にも「この日のこの時間は介護ができない」ことを伝えて理解してもらい、自分の時間を確保できるよう協力してもらいましょう。
在宅介護は介護と日常の境目があいまいなので、周囲の協力も含めて周到に準備を整えないと、ズルズルと介護に全部の時間を持っていかれがちです。

介護を続けていくために必須のことですので、「何があってもそれだけは譲れない」というくらいの強い気持ちで、自分の時間を確保してください。


● 在宅介護を続けていくには「心の栄養」が必要
介護で疲れた体を労わることは、とても大切です。
痛みや不調があるなら、病院にかかって治療する、定期的にマッサージに通うなど、きちんとケアする必要があります。
介護の先にまっている、自分の老後の生活の質にも関わってくることです。

体の状態やつらさを客観的にわかってくれる存在がいるのは、とても心強いもの。
「ここが痛い」「こういう時につらい」と言葉にして伝えることで、がんばりすぎていた自分を自覚しやすくなります。
自分の体の状態でちょっと気になることを気軽に相談できる、医療やケアの専門家を探しておきましょう。

あなたは十分にがんばっています。
どうかあなた自身を労わることを忘れないでください。
自分を大切にしてあげなければ、相手を大切にすることはできません。

ひとりでがんばるだけでは、体がもたないし、心も枯れてしまいます。
「痛い」「つらい」と素直に言える場所があれば、自分に何が必要なのか気づけるかもしれません。
自分の体と向き合い、きちんとケアすれば、結果的に自分の栄養になって返ってきますよ。


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