デジタルプラットフォームディビジョン公開資料 - セコムIS研究所

デジタルプラットフォームディビジョン公開資料

ID

IDとトラスト（2022年12月シンポジウム「IDとトラストの最前線－電子行政・ビジネスと標準・法」）：松本泰

電子行政や私人間の電子取引などの推進には、その基盤となる「IDとトラスト」に関する理解が欠かせない。しかし、変革が促されているデジタル社会におけるトラストと、そのトラストを支えるIDの概念は、必ずしも共有されていないと思われる。ここでは、デジタル社会における「IDとトラスト」の概念を示し、目指すべき方向性や課題について示す。

もうひとつのマイナンバー「医療等ID」に関する議論 - 医療等分野における個人情報の利活用と保護の課題 -（2015年12月情報法制研究会第3回シンポジウム）：松本泰

マイナンバー法（行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律）が、2015年10月5日より施行され、その社会的インパクトの大きさが徐々に認識され始めている。しかし、マイナンバー法自体が、本来の目的のために機能し、その社会的意義が広く認識されるまでには、紆余曲折があるかもしれない。一方、マイナンバー以上に社会的インパクトや社会的意義が大きいものに、もうひとつのマイナンバーともいえる「（仮称）医療等ID」がある。医療等IDに関する議論は、少子高齢化社会や増大する社会保障費問題など、日本社会の最重要課題と密接な関係にある。そのため医療等IDに関して一定の結論が出たとしても、それだけで今後の課題が解決するわけではなく、その動向を将来に渡って見守る必要がある。ここでは、医療等IDに関する過去からの議論とその中での論点を説明し、医療等IDのあり方や（改正）個人情報保護法との関係を考える。

番号制度に係わる情報セキュリティの課題（2013年10月第34回ISSスクエア水平ワークショップ）：松本泰

2013年5月24日、番号法（正式名称：行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律）案および関連法案が参議院本会議で可決され成立した。番号制度の導入の課題である情報セキュリティに関して、番号法の成立までにも議論がなされ、番号法自体にもその対応が盛り込まれている。しかし、社会実装において情報セキュリティの課題は、番号法の成立を課題解決への終わりではなく、始まりと捉えるべきである。本講演では、番号制度と番号制度が社会へ及ぼす変化に対して、情報セキュリティ関係者は何を考えるべきかを念頭に置き、番号制度に係わる情報セキュリティの課題や論点などを概説する。

IETF

IETFにおけるサプライチェーンセキュリティ関連の標準化動向（2023年3月 IEICE 総合大会）：髙山献

国際標準化団体IETFは、ソフトウェアサプライチェーンの透明性・完全性・信頼性を高めることを目的としてSCITTワーキンググループを発足させた。SCITTは、あるソフトウェアが利用するオープンソースのライブラリ情報や、そのソフトウェアの実行ログなどをTransparency Serviceに登録し、ソフトウェア開発からデプロイまでを追跡可能にする。

HackathonとSUIT報告 IoTファームウェア更新に関する検討（2019年5月 JPNIC News & Views 5月臨時号）：瀧田悠一

国際標準化団体IETFで標準化が進められているSUIT（Software Updates for IoT）プロジェクトの概要と、IS研究所がIETF104のHackathonでSUITプロジェクトに参加した経験について説明する。

IoT機器の安全なファームウェア更新 SUITとIETF Hackathon（2018年12月 JPNIC News & Views 12月臨時号）：瀧田悠一

国際標準化団体IETFで標準化が進められているSUIT（Software Updates for IoT）プロジェクトの概要と、IS研究所がIETF103のHackathonでSUITプロジェクトに参加した経験について説明する。

IoTセキュリティ

IoTセキュリティ・デバイス管理における国際動向と標準化技術の方向性（2021年3月電子情報通信学会総合大会）：国井裕樹

IoTセキュリティに関する法規制や認証に関する国際動向、IETFでの国際標準化動向を紹介する。また標準化技術とArm社の展開するサービスとの比較について分析する。

データ戦略のためのITシステム（2019年11月データ戦略の課題と未来）：松本泰

Soceity5.0時代のデータ戦略として、サイバー・フィジカル・システムにおけるビジネスデザインや法制度・法務コンプライアンス、技術アーキテクチャを俯瞰した上でのデータ戦略トラストの観点が重要になる。

IoTセキュリティの社会実装における課題抽出（2018年4月 HWS研究会）：国井裕樹

IoTセキュリティが適用される分野ごとにユースケースの検討を行い、IoTセキュリティの社会実装における課題抽出の結果を報告する。

OTA時代の自動車のサイバーセキュリティ（2017年1月オートモーティブワールド2017）：松本泰

自動運転などの車のセーフティのためには、ECUのソフトウェアや3次元地図などは、常に最新のソフトウェアやデータであることが要求される。そのため Over the Air(OTA)によるソフトウェア更新などは、重要な役割を果たす。しかし、安易なOTAの実装は、新たなバックドアを生む可能性もあり、車のセーフティをも脅かすサイバー攻撃の元凶にもなり得る。本講演では、OTA時代における自動車へのサイバー攻撃のシナリオを示し、セキュアなOTAを実現するために必要不可欠となる「暗号技術によるトラスト」を中心に自動車のセキュリティの方向性について説明する。

PKI

セキュアコンポーネントとPKIが作るデジタルトラストの世界（2021年9月 IEICE 第8回DPF研究会）：松本泰

ICカードやSIMから埋め込み型のeSIM、デバイスの高信頼実行環境TEE（Trusted Execution Environment）などのセキュアコンポーネント技術に関して、GlobalPlatformなどの標準化動向を中心に政策・技術・導入展開などを説明する。またIoTデバイスの信頼性の実行時の証明が、クラウドサービスと連携してプラットフォーム化する点について説明する。

TEE (Trusted Execution Environment)

トラストを確立する技術の概要（2021年4月 PKI and Trust Days 2021）：宮澤慎一

トラストを確立するための技術について、基礎技術の内容を1980年代から現代にかけて歴史を追いつつ解説する。

暗号

耐量子計算機暗号のHSMへの実装方法とそのCryptographic boundary構成方法についての考察（2020年10月 CSS 2020）：肖俊廷・伊藤忠彦

2つのCryptographic Boundaryを想定し、暗号処理における非対称演算操作ではなく、暗号処理におけるハッシュ操作の効率に焦点を当てて検討を行う。またPQCにおける暗号操作のボトルネックは、非対称演算操作ではなく、ハッシュ操作であることを指摘する。本報告では、NISTのPQCプロジェクトのラウンド2から、3種類の格子ベースの署名を評価した。

高機能暗号の社会実装に係る課題の抽出（2017年7月 ICSS研究会）：国井裕樹・伊達浩行

社会の情報システムにおける、高機能暗号のユースケースの考案と評価を行った。まず、既存の高機能暗号の実装例を調査し、高機能暗号が実システムに組み込まれ、普及するための条件を導き出した。次に、この条件から高機能暗号のユースケースの考案と総合的な評価を行い、社会実装への道筋を示した。また個人情報保護法における暗号化の最新の状況についても補足する。

次世代暗号アルゴリズムへの移行～暗号の2010年問題にどう対応すべきか～（2008年11月 Internet Week 2008）：松本泰

計算機性能の向上や暗号アルゴリズムの進歩により、既存の暗号アルゴリズムの世代交代を進める必要がある。IT基盤化した暗号技術をいかに移行するかという問題について解説する。

電子署名・認証

「eシール解説～実用化に向けて～」解説（2023年3月デジタルトラスト協議会 eシール活用セミナー）：佐藤雅史

eシールとは、電子文書の発信元の組織を示す目的で行われる暗号化等の措置である。eシールの概要と導入例を示す。また実用化の課題や多様な業界や国際的に使用する場合の相互運用性の課題を整理する。

振り返ったら側にあった標準化（2021年11月 Internet Week 2021）：佐藤雅史

電子署名の標準化活動の相互運用性について紹介する。また標準化活動の意義や動機づけについて見解を述べる。

電子署名の明日に向かって（2021年11月 Internet Week 2021）：佐藤雅史

デジタル署名方式電子署名の過去の議論をもとに、昨今の電子署名の状況と展望を議論する。

電子署名関連に関する標準化活動（2021年03月一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンターシンポジウム「情報通信アーキテクチャの今とこれから～標準化活動の観点から～」）：佐藤雅史

ETSI（欧州電気通信標準化機構）との電子署名の標準化活動の経験をもとに、日本の標準化活動の在り方を議論する。

電子署名法の課題と未来（2020年12月公益財団法人日弁連法務研究財団シンポジウム「電子契約の過去・現在・未来－書面・押印・対面の見直しのための技術と法」）：松本泰

電子署名法が施行されてから社会は大きく変わり、さらにSociety5.0時代やデジタル社会への移行が望まれている。今後の電子署名法を考える上で共有すべき「未来の電子署名の活用イメージ」や「電子署名法の成り立ちと立て付け」、「プラットフォーム的視点からの電子署名法の課題」について考察する。

PDF長期署名プロファイルの国際標準化を振り返って（2017年1月 Network Security Forum 2017）：佐藤雅史

経産省標準化事業としてPDF長期署名プロファイルのISO規格策定を行った。この活動と規格の概要、規格の適用場面、今後の展望について説明する。また、その事業期間内のEUや日本の動向、米国を主体とするPDF標準化の動向を紹介する。

電子署名標準化動向から今後の方向性を探る（2016年4月 PKI Day 2016）：佐藤雅史

日本ではマイナンバー制度をきっかけに、公的個人認証や派生した認証、電子署名に関する議論が行われている。EUでもeIDAS規則と関連する技術の標準化（欧州規格化）が進められている。日本でも議論されるサーバー署名（リモート署名）も、EUで規格の準備が進められている。EUにおける標準化動向と、JNSA電子署名ワーキンググループが推進する標準化の動向を紹介し、電子署名の課題について述べる。

eRAP活動成果と今後の展開（2013年3月平成24年度電子記録応用基盤フォーラム成果報告会）：佐藤雅史

eRAP（電子記録応用基盤フォーラム）の活動成果である、長期署名プロファイルのISO化や電子署名の標準化活動について紹介する。eRAPの3年間の活動成果を総括し、今後解決すべき電子記録の保管や活用の課題を報告する。

海外における電子認証の動向（2009年11月 Internet Week 2009）：松本泰

欧州の電子政府の先進各国では、電子行政サービスにおけるバックオフィスの連携を進めている。そのためにID管理と社会的信頼の仕組みを整備し、電子認証（PKI）を展開している。電子政府の電子認証の先進事例としてエストニアの事例を紹介する。エストニアは国がコンパクトで、既存のインフラや法制度、慣習、権益などのしがらみが少ない中で、電子認証基盤を整備している。日本の状況とは逆の事例から、行政の効率化やサービス利用者中心の行政システムを支える電子認証の課題を考察する。

プライバシー

個人中心のアプローチに欠かせないユーザブルプライバシー（2019年5月 MyData Japan 2019）：坂本一仁

MyDataの方針や情報銀行に関連する「個人中心のアプローチ」について、ユーザブルプライバシーの観点から解説する。

ブロックチェーン

Multi-Threshold Byzantine Fault Tolerance（2021年11月 ACM CCS 2021）：百瀬孝紀

従来のビザンチン耐故障問題を再定義し、耐故障性の限界を回避できることを発見した。

Optimal Communication Complexity of Authenticated Byzantine Agreement（2021年10月 DISC 2021）：百瀬孝紀

Dolve-Reischuk によって示されたビザンチン合意問題の通信複雑性の下界が密（tight）であることを示した.

Blockchainの技術的現状とその応用ブロックチェーンとデータ真正性（2019年11月マイクロウェーブワークショップ 2019）：佐藤雅史

ブロックチェーンとデータ真正性の関係を探るため、従来技術と比較する。

セコムから見たブロックチェーン時代ビフォーアフター（2017年11月 International Blockchain Conference Tokyo）：佐藤雅史

セコムが提供した「あんしんエコ文書サービス」とブロックチェーンとの関係や考え方について述べる。

Long-term public blockchain: Resilience against Compromise of Underlying Cryptography（2017年4月 ICCCN 2017）：佐藤雅史

ブロックチェーンで用いられているデジタル署名やハッシュ関数の方式がぜい弱化しても、安全性を担保できるかが課題である。この解決策として長期署名技術の応用を提案する。

ブロックチェーンとは何か？（2017年4月 PKI Day 2017）：佐藤雅史

ブロックチェーンの概要とPKI関連技術の関係を解説する。

Bitcoinの技術的課題の整理と議論（2014年6月 JNSA Bitcoin勉強会）：佐藤雅史

Bitcoinの仕様上の課題や実装上の課題、既知の攻撃方法を整理する。また将来想定される技術的な懸念点について議論する。

国際動向

欧州の技術標準デジタル単一市場戦略の中核となるトラスト（2019年2月トラストサービスの調査ワークショップ 2019）：松本泰

欧州ではデジタル社会に対応する法制度として、eIDAS規則が施行されている。この規則は、欧州のデジタル単一市場戦略の実現を目指した法制度といえる。しかし、このデジタル単一市場戦略には、eIDAS規則に沿った技術標準の策定が欠かせない。これは、デジタル単一市場のためのプラットフォームの技術標準である。eIDAS規則はその技術標準に法的根拠になるものである。デジタル単一市場戦略のトラスト形成のためのEUの技術標準と、eIDAS規則と欧州におけるデジタルプラットフォームの関係を説明する。

その他

ゼロトラストにおけるトラスト（2021年5月第24回サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム）：松本泰

ゼロトラストネットワークでは、ファイヤーウォールの内側のネットワークをNever Trustとし、利用者（サブジェクト）と結びついたエッジデバイスをAlways Verifyとする。従来のトラステッドネットワークされてきたものに代わり、トラストを形成するのがゼロトラストラストアーキテクチャである。ゼロトラストアーキテクチャの実現には、エッジデバイス自体にTEE（Trusted Execution Environment）などのトラスト領域が必要である。この要求に対応するプラットフォームセキュリティが大きく進化している。デジタル時代におけるトラストの役割とエッジデバイスのトラスト、プラットフォームセキュリティの技術動向を説明する。

これまでのUWSの振り返りとUWS2019について（2019年8月ユーザブルセキュリティワークショップ 2019）：坂本一仁

UWS（ユーザブルセキュリティワークショップ）の活動を紹介する。またUWS2017とUWS2018で発表された論文の傾向から、ユーザスタディや研究倫理に関して理解を深める。