ネットセキュリティ 2023年05月24日

第379回 デート商法の手口と対策

昨今、SNSやマッチングアプリなどの普及により「デート商法」が増加傾向にあります。出会いを求めるなかには、デート商法のターゲットを探すものも少なからず存在するということです。
デート商法に巻き込まれないために、手口や対策を知っておきましょう

2023.5.24更新

昨今、SNSやマッチングアプリなどの普及により「デート商法」が増加傾向にあります。出会いを求めるなかには、デート商法のターゲットを探すものも少なからず存在するということです。
デート商法に巻き込まれないために、手口や対策を知っておきましょう

デート商法の手口

画像「デート商法」とは、言葉巧みに勧誘して異性に好意を抱かせ、相手の感情につけ込んで契約を締結させる悪徳商法のひとつ。
デート商法のきっかけとなる「出会い」は、電話、SNS、街角アンケート、マッチングアプリ、婚活パーティーなどさまざまです。
20代30代といった若年層が巻き込まれやすい傾向があります。

デート商法の手口は、恋愛感情を利用したものです。
言葉巧みに商品購入を促したり、契約を取り交わそうとしたりして、商品購入・契約成立のあとは音信不通になることが多いようです。

恋愛関係を維持する前提で迫るなど、好意に付け込むことで「断りにくい」状況をつくりだすようです。恋愛中は誰もが「好きな人に嫌われたくない」「信じたい」という気持ちを抱くもの。
連絡が途絶えるまでだまされたことに気づかないなど、被害が発覚するまで時間がかかる傾向があります。

クーリングオフの期間である「契約日から8日間」は、怪しまれないようにこまめに連絡を取るなど巧妙な手口もあるので注意が必要です。

デート商法の事例

国民生活センターに寄せられた相談から、デート商法の具体例を紹介します。

・マッチングアプリで知り合った相手とSNSでやり取りを重ねるうちに好意を抱き、会うことに。相手の勤務先の宝石店に案内され、アクセサリー購入の勧誘を受けた。思わせぶりな言葉をかけられたり、複数人から囲まれたりして断り切れず、購入してしまった。
・婚活サイトで出会った相手と旅行の約束をする仲に。投資用マンションの購入を勧められ、不明点も多かったが、恋愛感情もあって契約書に捺印してしまった。旅行は直前にキャンセルになり、相手とは疎遠になった。

なかには複数人で勧誘して断りにくい状況をつくったり、「お得なのは今だけ」などと期限を設けて考える機会を奪ったりと強引な手法も珍しくありません。
お金がない場合は、強引に借金させようとするケースや
一度の購入だけでなく、繰り返し購入を迫られることもあります。

恋愛感情があれば「断ったら関係が険悪になってしまうのでは」と感じてしまうこともあるでしょう。
しかし、誰が相手であっても、高額な支払いが発生する理不尽な要求を受け入れてはなりません。
「デート商法かもしれない」といち早く気づくことが大切です。

デート商法に引っかからないための注意点

デート商法には、きっかけとなる「出会いの場」があります。
SNSであったり、マッチングアプリであったり、出会いの場はさまざまですが
たとえ意気投合しても、相手を安易に信頼するのは危険。

・ネット上で知り合い、実際に会うようなら警戒心を忘れない
・購入や契約を勧められても不要なら断る
・すぐに契約しない

SNSのダイレクトメッセージやマッチングアプリなどを利用している若い世代にとって、デート商法は身近な犯罪です。
SNSやアプリで知り合った相手が、本当に信用できるかどうかを慎重に判断し、
「もしかしたら」を考えて相手を見極める冷静さを忘れないようにしましょう。

デート商法にだまされてしまったときの対処

2019年6月の法改正により、デート商法の被害も「消費者契約法」の対象になりました。
「感情を利用されてしまう」という困惑状態を脱してから1年以内、かつ契約してから5年以内であれば契約の取り消しが可能です。
クーリングオフの期間が過ぎていても、金銭的な被害を回復することができることを覚えておきましょう。

少しでも心配なことがあれば、すぐに最寄りの消費生活センターに相談してください。
相談の際に役立ちますので、過去にやり取りしたメッセージなどは消去せず、記録として残しておくことをおすすめします。

●消費生活センター「消費者ホットライン」:188(いやや)
3桁の電話番号「188」で消費者ホットラインにつながります。

クーリングオフの期間を過ぎていても、泣き寝入りせず対処しましょう。

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デート商法のきっかけのひとつに「アンケート」があります。
電話や路上でのアンケートがデート商法につながると考えにくいかもしれませんが、非常に言葉巧みなため、心を許してしまうこともあるようです。
話しやすい雰囲気を演出して個人情報を聞き出したり、共通の話題で盛り上げたりと、とても巧みです。

・知らない番号からの電話には出ない
・アンケートで個人情報を安易に答えない

デート商法に巻き込まれないためにも自身の個人情報を守る意識は重要です。

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