防災・防火 2023年10月04日

第388回 台風や豪雨には「キキクル」で早めの防災行動を

7月から10月にかけては日本に接近・上陸する台風が多くなります。
夏から秋は天候も不安定なため局地的な豪雨が発生してもおかしくありません。
洪水や土砂災害などの被害が毎年のように発生しています。
いざというときに慌てずに行動するためには、日ごろの備えが肝心です。
台風や豪雨への備えのひとつとして、気象庁が提供するサービス「キキクル」を活用しましょう。

川や海から離れていても水害の備えは必要

洪水や浸水などの水害、がけ崩れや土石流などの土砂災害は、大雨により発生します。

集中豪雨で排水溝や下水管から水があふれ、床上・床下浸水や道路冠水なども多数発生しており、「河川や山から離れているから関係ない」と考えるのは危険なことです。
市街地や平地でも水害に巻き込まれる可能性はあり、他人事ではありません。

今いる地域に迫る危険をリアルタイムで知ることは命を守ることにつながります。

気象庁が提供する情報サービス「キキクル」とは?

キキクル」(https://www.jma.go.jp/bosai/risk/)は、洪水災害や浸水害、土砂災害などの危険度をリアルタイムで確認できるサービス。
ホームページやスマートフォンのアプリなどで利用できます。

各災害が発生する危険度の高まりを、マップ上で5段階に色分けして表示。
10分ごとに更新されるので、どこで、どんな災害が発生しそうなのか、現状を正確に把握するのに役立ちます。

3つの「キキクル」が閲覧可能です。

「土砂キキクル」...大雨による土砂災害の危険度を表示
「浸水キキクル」...短時間にまとまって降る強雨による浸水害の危険度を表示
「洪水キキクル」...河川の洪水災害の危険度を表示

(マップの右上に丸いボタンがあり(左から)土砂、浸水、洪水のキキクルの選択が可能です)

「キキクル」の見方と活用方法

台風や豪雨に見舞われたときは、こまめに「キキクル」のマップで情報をチェックしておきましょう。
災害発生の危険度は、黄→赤→紫→黒の順に高くなります。

<「洪水キキクル」の表示例>


マップ上で黒が表示されている地域は、「災害切迫」(警戒レベル5)の状況。
重大な災害がすでに発生している可能性が高く、命の危険が迫っている状況です。
この段階での避難は危険をともないます。

命を守るためには、安全に避難できるタイミングを逃さないことが大切。
紫(警戒レベル4)や赤(警戒レベル3)が表示されたら早めに避難を開始するなどの行動を起こす必要があります。「キキクル」を活用して避難のタイミングを見誤らないようにしましょう。

何ごともないときからの備えが肝心!

いざというときに慌てないために、何ごともないときからできる「備え」を紹介します。

・「キキクル」プッシュ型通知サービスに登録
10分ごとに更新される「キキクル」の危険度情報をいち早く知るなら、プッシュ型通知サービスが便利。利用者が登録した地域の危険度が上昇した時や、警報が発表されたときに、メールやスマホアプリのプッシュ通知機能で知らせてくれます。あらかじめ登録しておくと安心です。

キキクル、噴火警報・噴火速報のプッシュ型通知サービスについてhttps://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/push_tsuchi.html

・住んでいる地域の「ハザードマップ」をチェック
ハザードマップは、水害や土砂災害のほか、地震、津波、火山噴火などさまざまな自然災害が発生した時に、予想される被害や被害区域などを地図で示したものです。
自分の住んでいる地域や職場・学校がある地域で、どのような災害が発生する可能性があるのか、事前に把握しておくために役立ちます。
避難所や避難経路など、防災関係の施設の位置なども載っているので、避難時のシミュレーションをしておきましょう。

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台風や大雨予報のニュースを見ると、仕事や学校に行けるのか、公共交通機関は大丈夫かなど、普段どおりの生活ができるかどうかに意識が向きがちですが、「ハザードマップ」「キキクル」などを活用して情報収集をおこない、いざというときに落ち着いて行動できるよう準備をしておきましょう。

また、最近では大雨が降ってしばらくたったあとや数日後に、地盤が緩んだ場所で土砂災害が発生したケースもありました。
台風が通過したあとも、しばらくは川や海のうねりなどには注意が必要です。
大雨のピークを越えても、急な斜面に近づいたり、増水した河川や海を見に行ったりするのは絶対にやめましょう。

突然発生する地震とは異なり、台風や豪雨による水害・土砂災害は、気象情報などにより事前に予測ができるもの。
危険を感じるほどの雨量をもたらす気象現象が増えているなかで、「どうしたら命を守れるか」を日ごろから考えておきたいですね。


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