コーチという立場から発言すれば、
われわれ野球界で打撃の道を歩むものは、まだまだ甘いと思う。
これまで打撃は三割を打つことが目標といわれてきたが、
三割ということは十回打つうち7回は失敗してもいいということだ。
十回のうちたった三回成功すればいいなんてことは、
ほかのスポーツ、いや、あらゆる社会の仕事のうえで適用することだろうか。
この世の中は、たった一回でも失敗すればもう終わりということのほうが多いはずだ。
それを考えると、野球は甘すぎる。
『伝説の長嶋茂雄語。』(小林信也・編/小学館・刊)