トップメッセージ|セコムのCSR経営|セキュリティのセコム株式会社-信頼される安心を、社会へ。-

トップメッセージ

「あんしんプラットフォーム」構想の実現により、
社会のサステナビリティに貢献します

セコム株式会社
代表取締役社長
中山泰男

多様化する「安全・安心」へのニーズに応え続けるための2030年ビジョン

セコムは「あらゆる不安のない社会の実現」を使命とし、歩みを重ねてきた会社です。「社会にとって有益な事業を行う」という理念が常に私たちの根底にあり、それを本質的な価値として、社会に信頼される企業グループを目指してきました。創業時から受け継ぐこの基本姿勢は、時代を経ても変わることがありません。

2017年度には、こうした長期的な使命を追求していく上で、もう少し近い将来のありたい姿を明確にするために「セコムグループ2030年ビジョン」を策定しました。社会環境が大きく変化するなか、現実世界、サイバー空間を問わない事件や事故、病気・老化、自然災害などの問題が広がり、「安全・安心」へのニーズは多様化しています。それに応えていくため、2030年ビジョンにおいてセコムが掲げたのが「あんしんプラットフォーム」構想です。①いつでも、どこでも、あんしん②誰にとっても、あんしん③切れ目なく、ずっと、あんしん――という3つの特徴に基づいたサービスをお客様と社会に提供していきます。

構想のベースは私が2016年の社長就任時より温めてきたものですが、2030年という未来を目標年とするからこそ、経営陣だけで決めるべきではないという想いがありました。策定にあたっては、2030年にセコムを支えることになる若手・中堅社員を中心としたプロジェクトチームを結成し、徹底して議論を交わしてきました。

切れ目のない安心を実現するための「セコムあんしんフロー」という考え方も、この中で生まれたものです。平時の「事前の備え」。いざ事が起きれば的確に「事態を把握」し、対処により「被害を最小化」する。そして早期の「事後の復旧」をサポートする。セキュリティをはじめ防災、メディカルなど7つの事業領域を持つ私たちは、点や線ではなく面でお客様に安心をお届けしていきます。この切れ目ない安心の提供はセコムならではといえるでしょう。

お客様はセコムに「安全・安心」を任せるから、本業に集中できます。想定外の事態の発生を想定内とすることで、生活と社会の流れを止めません。社会の生産性とレジリエンスを高める企業として、私たちはナンバーワン企業であると自負しています。

2030年ビジョンは、おりしも2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」と目標年を同じくするものです。SDGsをめぐっては、さまざまな社会課題に取り組む動きが世界で広がっており、当社もこれを極めて重視します。社会のサステナビリティを目指すセコムの事業は、SDGsと完全に整合するものです。今後、2030年ビジョンとのつながりに意識を強め、17の目標に優先順位をつけた上で深掘りし、具体的なアプローチを検討していきます。

取り組むべき優先課題を明確化した「セコムグループ ロードマップ2022」

2030年ビジョンへの歩みを加速するため、セコムは2022年を一里塚とした「セコムグループ ロードマップ2022」を、今年度新たに策定しました。この中で、セコムが優先して取り組むべき社会課題として明確にしたのが、「テクノロジーの進化」と「労働力人口の減少」です。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)に代表されるような「テクノロジーの進化」により社会生活の利便性が高まる一方、その前提となるセキュリティ需要は拡大しています。また、「労働力人口の減少」によって多くの企業が限られたリソースを有効活用すべく、信頼できるセキュアなビジネスサポートへのニーズが高まっています。

今問われるのは、こうした世の中に対し、セコムはどのようなサービスイノベーションを起こしていくのかです。自社が持っているものを売る「プロダクト・アウト」の発想ではなく、社会のサステナビリティのために必要なものは何かを考える一歩先を見据えた「マーケット・イン」の発想が欠かせません。2つの優先課題をビジネスチャンスに変えていくために、セコム自身が大きな自己変革を遂げていく必要があります。

こうした考えのもと、ロードマップ2022では「人」と「システム」に思い切った投資を進めていきます。まず重要なのが「人」です。現在は、会社が社員を選ぶのではなく、社員が会社を選ぶ時代です。人財から選ばれ続ける魅力ある企業となるため、多様な人財に門戸を広げるとともに、入社した社員の自己実現につながるよう研修や人事カリキュラムを充実させていきます。

そして、人財をサポートするために「システム」を最大限に活用します。次世代型の基幹システムの構築のほか、AIやRPA※1への投資を集中的に行います。セコムはもともとセキュリティ会社としては世界でも稀な研究・開発部門を持った企業です。東京・三鷹のIS研究所および開発センターでは、多くの研究者が安心を支える技術に日々磨きをかけています。

セコムは6年連続で純利益過去最高を更新していますが、足元が好調なときだからこそ、戦略的な投資で将来に向けた自己変革により基盤整備を図ります。

また、今後の事業戦略においては「共想」パートナーの存在を非常に重視します。「安全・安心」へのニーズが多様化・複雑化する今、お客様一人ひとりに寄り添ったサービスのカスタマイズが欠かせません。そこに応えるにはセコムだけの力では十分ではなく、想いを共有できる第三者と手を取り合うことが重要です。

すでに「共想」をもとにした新規ビジネスも生まれてきています。世界最大級の認証機関SGSの日本法人との協働では、物流施設におけるセキュリティ対策を標準化した新しい評価基準の策定に協力しました。また、半導体メーカーであるルネサスエレクトロニクス株式会社との協業により、サイバー攻撃などに備えた安全なIoTセキュリティ基盤開発にも取り組んでいます。

「プラットフォーム」とは、あらゆるものが往来し、目的に応じてつながり合う、文字通り駅のホームのような空間を意味するものです。安心を鍵としてニーズを持つたくさんの人と、それに応えるさまざまなサービスを結ぶ場が、セコムの考える「あんしんプラットフォーム」です。

社員満足を原点とする全員経営で信頼される企業グループ目指す

人財をセコムの競争力の源として最重要視し、社長に就任以後、できるだけ機会をつくり全国の拠点を訪れてきました。現場の社員との対話を通して気づくことは多々あります。社員たちは日々お客様と接する中で、セコムに求められるものをそれぞれの立場から考え抜いています。現場と本社がコミュニケーションを深めることは、新たな価値創造に不可欠です。

2030年ビジョンやロードマップ2022の策定は、セコムの目指す姿を社内でしっかりと共有できた点でも大きな意義があります。非常に嬉しかったのは、現場の若い社員から「今回のビジョンは、自分が仕事やセコムに対して考えていたことそのものです」という声が挙がってきたことです。「社会に役立つことをしたい」「お客様にありがとうと言われることが喜び」という共通の価値観が根付いていることを実感します。

現在は、環境変化が激しく先行きの読みにくい時代です。こうした中では、トップだけが戦略を打ち立て現場が実行するというスピード感では到底社会のニーズに対応しきれません。求められるのは、社員一人ひとりが自分のミッションを理解し、主体的に動いていく「全員経営」の組織です。「全員経営」を成り立たせるためには、高い社員満足度が欠かせません。社員満足度の向上を図ると、一人ひとりが潜在能力を高い次元で発揮するようになる。するとサービス品質が向上し、お客様や社会から一層信頼されるようになり、それが社員のやる気を高めて、より良いサービスの創造・提供につながる、という「正の循環」が生まれます。社長就任時に「社員満足を原点とする全員経営」を第一に掲げたのはこのためです。

私たちの「安全・安心」のサービスは目に見えないものだからこそ信頼がベースになります。社員には、自社ではなく社会にとって正しいことを判断基準とする「正しさの追求」や「現状打破の精神」というセコムの理念をぶれない軸として、社内から社外へ、信頼の輪を広げて欲しいと思います。

2018年7月からは、「セコムの理念」をあらためて社内に浸透させていくための全社活動「Tri-ion(トリオン)活動」をスタートさせています。社員一人ひとりがセコムの理念の体現者となり、人や社会に対する貢献の喜び、自己実現に向けた成長の喜び、仲間や社会と信頼でつながる喜びを感じることができる、より一層働きがいのある会社を目指していきます。

ステークホルダーとの対話を深め、社会とともに持続的に発展する

昨今、企業の環境・社会・ガバナンスの側面を考慮するESG投資の潮流が強まっています。企業がサステナブルであるためには、大前提として今まさに世の中に求められる投資の形でしょう。投資家の皆様とは、ぜひ2030年ビジョンやロードマップ2022を通じて対話を深め、セコムの取り組みに理解を得ていきたいと考えます。

特に環境対応では、セコムは先進企業として歩んできました。当社の「オンライン・セキュリティシステム」はセキュリティ機器のライフサイクル全体を自社で管理し、リサイクル率やエネルギー効率向上を追求する資源循環型・低炭素型モデルであり、環境親和性が高いものです。2016年には、世界的な環境NGOのCDPが行う気候変動への取り組みの評価において、国内サービス企業では唯一、最高ランクの「Aリスト」認定を得ています。さらに現在は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)※2への賛同に向け、気候変動がもたらすリスクと機会の財務的影響を開示していくため、社内で調整を進めている段階です。

また、地域社会も大切なステークホルダーと考え、近年取り組みを強化してきました。2016年に渋谷区と「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定」を締結し、防災・超高齢社会・ダイバーシティなどの社会課題の解決にともに取り組むほか、2018年9月には豊島区とも「地域による安全・安心のまちづくりに関する協定」を交わし、新たな一歩を踏み出しています。

セコムは今後も、多様なステークホルダーとのつながりを大切に、「あんしんプラットフォーム」構想の実現に全社で取り組んでいきます。変わりゆく社会に、変わらぬ安心を提供するため、さまざまな社会課題を解決していくことで、持続的に成長する企業グループを目指して邁進していきます。

  1. RPA(Robotic Process Automation)…認知技術(ルールエンジン・機械学習、AIなど)を活用した、主にホワイトカラー業務の効率化・自動化の取り組み。
  2. TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)…気候変動が、企業の損益やキャッシュフローに与える影響を開示するための基本原則を検討するために、2015年に国際組織「FSB(金融安定理事会)」が設けた組織のこと。
トップメッセージ。セコムのサステナビリティ実現への取り組みについて紹介しているページです。セコムは、経済面、環境面、社会面の活動を通じて、「企業と社会が共に持続的に発展することが重要である」という考え方を根底におき、創業以来、事業を通じて社会・環境課題の解決に努めています。