マテリアリティ02先端技術の活用とパートナーシップ
セコム株式会社 技術開発本部副本部長
田中 貞朗
社会のニーズを先取りする独自の研究・開発体制
セコムは創業後の早い段階から、事業拡大やセキュリティの需要増加による人手不足を見据え、先端技術を果敢に取り入れてきました。1979年に設立された「開発センター」では、社会のニーズを先取りした独創的かつ信頼性の高いサービス・機器の開発に取り組み、1986年設立の「IS研究所」では、さまざまな基盤技術の研究や、最新の成果を集約したプロトタイプ構築方法の研究を行っています。研究成果は新たなサービスに活かされると同時に、論文発表や標準化活動だけでなく、多様な媒体を通じて幅広く発信しています。
パートナーとの共想でこれまでにないユーザー体験の実現を目指す
「セコムグループ ロードマップ2027」では「共想戦略」に重点を置いています。これは、セコムと想いを共にする国内外のパートナーとのオープンイノベーションを加速させ、新たなサービスやこれまでにないユーザー体験の実現を目指すものです。2023年4月に、Apple Watchを活用してセコムへの緊急通報や日常の健康管理ができる「YORiSOS」アプリをリリースしていますが、今後もこのような新しい価値の創出に取り組む考えです。
クラウドなどの新しい技術の普及を受け、セコムのセキュリティサービスも大きく変化してきています。重要なセキュリティ情報を厳重に管理する従来どおりのクローズドなサービス基盤に加え、これに連携するオープンなクラウド環境を用意することで新たなニーズにもお応えできるようになりました。このような先端技術の活用は他にも平常時のみまもりサービスの充実や多様なデバイスへの対応、共想パートナーとの連携を一層進められるといったメリットもあり、新たなソリューションやビジネスインフラの提供につながるものと期待しています。今、社会では労働力人口の減少や犯罪の凶悪化など、さまざまな課題が深刻化しています。お客様の不安が増える状況の中、「安全・安心」で「快適・便利」なサービスをお届けし続けるために、今後も先端技術の積極的な活用に努めていきます。
KGI (目指す姿) |
KPI (KGIに向けた指標) |
目標値 | 目標年 | 2022年度 実績 |
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日本初の“安全・安心”サービスを創出する企業であり続ける | ||||
社会の安心に貢献する研究成果のニュース発信件数 | 30件/年 | 2030 | 10件 | |
国内初の新システム・新サービス開発の公表件数
*2021~2030年の累計 |
計10件 | 2030 | 2件 | |
企業・自治体・教育機関等との実証実験件数
*2021~2030年の累計 |
計100件 (10件/年) |
2030 | 12件 | |
設置工事不要のセキュリティ機器・システムの割合
*市販品採用機器を除く |
10% | 2030 | 6.8% |