トピックス|安全安心な科学技術の振興:セコム科学技術振興財団

平成30年2月23日 平成29年度 研究成果報告会・研究助成贈呈式を開催 新しい特定領域研究助成の研究構想も披露



開会の挨拶をする目﨑祐史 代表理事・理事長代行

2月23日(金)、東京・千代田区の帝国ホテルで、平成29年度研究成果報告会および研究助成贈呈式が開催されました。

当日は、目﨑祐史 代表理事・理事長代行の挨拶により開会し、最初に研究成果報告会が行われました。

セコム財団の一般研究助成は、安全で安心な社会の実現を目指し、様々な専門の先生で構成された選考委員による幅広い視点から審査を行っています。最初の1年間を準備研究と位置づけて研究の方向性を見極め、その後面接審査を経て3年間の本格研究へと進むことが特徴です。

研究成果報告会では、平成25年度に新規採択され、これまで4年間にわたって研究を進めてこられた次の6件の課題について、研究代表者の先生より成果報告が行われました。

大阪大学・黒崎知博先生「インフルエンザ万能ワクチン開発」
岡山大学・鵜殿平一郎先生「メトホルミンによる腫瘍局所免疫疲弊解除に基づく癌免疫治療」
富山大学・絹川弘一郎先生「入退院を繰り返す心不全患者に対する重症化・再入院予防及びQOL改善支援」
慶應義塾大学・西宏章先生(発表代理:松谷 宏紀 先生)「ネットワークトラフィックに直接介入するサービス指向ルータにより展開される新たなスマートサービス」
東京電機大学・上野洋一郎先生「コンピュータの原理原則に着眼したセキュリティカーネル技術とその応用に関する研究」
東京大学・楠浩一先生「安全・安心のための即時耐震性能判定装置の開発」
成果報告をされる先生(左から、黒崎先生、鵜殿先生、絹川先生、松谷先生、上野先生、楠先生)

次に、今年度から新たに開始した特定領域研究助成について紹介がありました。この研究助成は、科学技術の発展をより積極的に推進するために、当財団が重点的に助成する領域を指定し、その領域の研究統括を担う領域代表者が示す研究構想に沿う研究課題に助成するという新しい助成制度です。平成29年度に募集・助成した3つの領域について、最初は先端医学分野で「多階層医学プラットフォーム構築のための基盤技術開発」の領域代表者である桜田一洋先生(ソニーコンピュータサイエンス研究所)、次に社会技術分野で「人間情報・社会情報に基づく安全安心技術の社会実装」の領域代表者である西田佳史先生(産業技術総合研究所)、最後にELSI分野で「最先端科学技術の社会的・倫理的・法的側面」の領域代表者である藤垣裕子先生(東京大学)からそれぞれの研究構想について披露されました。


研究構想を披露する領域代表者の先生
(左から桜田一洋先生、西田佳史先生、藤垣裕子先生)

研究助成贈呈式では、一般研究助成6名および特定領域研究助成12名の新規採択者の先生方に目録の贈呈が行われました。佐々木理事長より「リスクを考えないイノベーションはありえません。先生方のより成熟したイノベーション研究を大いに期待します」と祝辞がありました。


目録の贈呈

祝辞を述べる佐々木信行 代表理事・理事長

約50名が参加した懇親会

懇親会ではパネルを囲み交流が進みました

懇親会の会場には研究内容が書かれたパネルが展示され、それらを囲みながら財団関係者と贈呈を受けた先生方との交流が進みました。

新規採択の先生から「面接の際は不採択だと思いましたが、助成金を頂けて光栄です。良い報告ができるように頑張ります」などと挨拶があり、成果報告をされた6名の先生方からは「選考委員の先生による助言や励ましのお陰で、最後までやり抜くことができました。ありがとうございました」などと感想が述べられました。最後に、目﨑祐史代表理事・理事長代行から「採択された研究は、いずれも非常にユニークです。このような技術を用いてますます良い社会作りに貢献したい」との挨拶で締めくくられました。

セコム財団関係者約50名が参加し、研究成果報告会・研究助成贈呈式は大変盛況となりました。今後、セコム財団はシンポジウム開催なども積極的に行ってまいります。


佐々木信行理事長、黒田玲子先生(選考委員長)(中央)と
贈呈を受けられた先生方(一般研究助成)
大阪大学・林美加子先生「ヒト・デンタルバイオフィルムの次世代シーケンス網羅的解析に基づく制御法の開発」
名古屋大学・一柳健司先生「生活習慣病による生殖細胞のエピジェネティック変化およびゲノム変異の発生機序」
東京工業大学・首藤一幸先生「社会基盤たり得る分散台帳の研究」
横浜国立大学・堀切智之先生「無条件安全通信による次世代セキュア通信環境の開発」
東京電機大学・植野彰規先生「見守りバイタルビッグデータ収集に資する非接触・無拘束型の敷布感知警報システム開発」
九州大学・林健司先生「分子を認識する二次元プラズモニックガスセンサアレイによる匂いの痕跡識別システム」

佐々木信行理事長、桜田一洋 先生(領域代表者)(前列)と
贈呈を受けられた先生方(特定領域研究助成:先端医学分野)
理化学研究所・渡邉朋信先生「ラマン散乱光スペクトルによる遺伝子発現予測/推定技術の開発」
理化学研究所・田中貴志先生「PDLIM2欠損マウスを用いた非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の病因病態の解明」
理化学研究所・川上英良先生「予防・個別医療に向けた時系列マルチモーダルデータに基づく状態遷移予測モデル構築」
京都大学・吉田善紀先生「多階層性モデルによる肥大型心筋症のリスク予測法と新規治療法の開発」

佐々木信行理事長、西田佳史先生(領域代表者)(前列)と
贈呈を受けられた先生方(特定領域研究助成:社会技術分野)
東京大学・伊藤寿浩先生「木造住宅の耐震センシングと残存価値評価法の研究」
産業技術総合研究所・小島一浩先生「人・システム協調型スケジューリングによる買い物機能の再設計と社会実装」
長岡技術科学大学・松田曜子先生「水害リスクの地域学習ニーズに応える河川水位観測・洪水シミュレーション技術の統合」
横浜国立大学・島圭介先生「安心安全かつ自律した労働と生活を保証する「社会・労働参画寿命」の見える化と訓練法」

佐々木信行理事長、藤垣裕子先生(領域代表者)(前列)と
贈呈を受けられた先生方(特定領域研究助成:ELSI分野)
東京大学・見上公一先生「ELSI概念の再構築:多様な価値観を反映した理想の社会の実現を目指したELSIの議論へ」
京都大学・八代嘉美先生「効率的な再生医療の提供にむけた政策課題解決のための研究」
早稲田大学・田中幹人先生「ハイブリッド・メディア空間でのリアルタイム・テクノロジーアセスメント技術の開発」
明治学院大学・渡部沙織先生「ジェネティック・シティズンシップに基づく難病患者研究参画の基盤整備に関する研究」