防犯・防災用語集

コンピューターウイルス

第三者のプログラムやデータベースに対して、意図的に何らかの被害をおよぼすように作られたプログラムのこと。
ウイルスは、まずシステムに感染し、活動を一時的に停止して潜伏します。潜伏している間は気づかれないので、感染していることを知らない人が感染したファイルを複製することにより広まっていきます。
潜伏期間がなく、自己増殖する機能を持つウイルスは、ワームと呼ばれています。潜伏期間が終わるとウイルスが活動して、データを消去したり、メッセージを出したりして、被害を与えます。この感染、潜伏、活動が、病気の原因であるウイルスに似ていることから「コンピューターウイルス」と名づけられました。
インターネットの普及で、電子メールの添付ファイルなどによるコンピューターウイルスの感染が拡大しています。ウイルスの感染防止や駆除にはウイルス対策ソフトウェアが有効です。

パスワード

「合い言葉」の意味で、コンピューターの世界では利用者を識別するための文字や数字などのことです。
パスワードは、パソコンやネットワークにログインする時や、閲覧が制限されたデータを許可された者が見る時などに入力して使います。つまり、パスワードで本人確認をしてアクセスを許可するのでパスワードはIT分野の「鍵」といえます。
この鍵の管理がコンピューターの世界のセキュリティレベルを左右してしまうと言っても過言ではありません。パスワードの設定はとても重要です。パスワードには「弱いパスワード」と「強いパスワード」があります。
「弱いパスワード」とは、自分の名前、ログインID、生年月日、電話番号、社員番号など、他人から推定されやすいパスワードです。「強いパスワード」とは、パスワードの長さが一定文字数以上、例えば8文字以上で、文字と数字と記号の組み合わせであるなど、他人から推定しにくいなどの特徴を持つものです。

ファイアウォール

外部から内部のネットワークへの不正なアクセス、また内部から外部のネットワークへの情報漏洩などを防ぐことを目的にした装置のこと。
火災の時に火の手を防ぐ「防火壁 (firewall)」にちなんで、このように呼ばれるようになりました。
ファイアウォールは、一般的に内部ネットワーク (イントラネット) と外部ネットワーク (インターネット) の間に設置されます。企業では、第三者が不正に企業内のネットワークにアクセスして、重要なデータやホームページの改ざん、システムの破壊などを防ぐために、ファイアウォールを導入しています。
しかし、最近では、企業内部の機密性を確保するために、部門間でファイアウォールを導入するケースが増えてきています。ファイアウォールの方法には、ファイアウォール監視サービスをはじめとするさまざまなものがあります。

ウイルスメール

コンピューターウイルスに感染したファイルが添付された電子メールのこと。
ウイルスメールは、ウイルスに感染したコンピューターから、利用者が知らないうちに自動的に送信されます。それを受信したコンピューターが感染すると、プログラムを破壊したり、データを消去したりするなどの被害を与えます。
ウイルスメールを防ぐには、ウイルスに感染しているかどうかをチェックして感染したウイルスを駆除するウイルス対策ソフトウェアが有効です。

スパイウェア

パソコンを使う利用者の許可なく、外部に情報を自動的に送信するプログラムのこと。
メールアドレスやクレジットカード番号などの個人情報や、どのサイトを見たかといったプラウザの使用履歴などが、知らず知らずのうちに外部へと送られてしまいます。スパイウェアには、オンラインソフトやフリーソフトウェアに付属してインストールされるものや、ウイルスに感染した時にインストールされるものなど、さまざまな種類があります。
多くの場合、利用者はスパイウェアがインストールされていることに気がつきません。利用者の知らないあいだにIDやパスワードなどが漏洩し、インターネットを利用した詐欺に使われて被害にあうなどの事件も発生しています。スパイウェアを予防、駆除するには、スパイウェア対策ソフトウェアが有効です。

ワーム

ネットワークを経由してシステムに侵入し、自己増殖をする悪意のあるプログラムのこと。
ワームは、コンピューターウイルスと同じように、システムの脆弱な箇所を狙って侵入し被害が拡大していくため、ワーム型ウイルスと呼ばれることもあます。コンピューターがワームに感染すると、そのワームはネットワークを経由してほかのコンピューターに侵入し増殖する動作を繰り返します。
その結果、ネットワークの負荷が急増して、コンピューターの処理能力やメモリの消費量が高くなります。また、データの破壊などの被害をこうむることもあります。最近のワームは、電子メールなどを介して爆発的に増殖するものが多いので、問題となっています。ワームへの対抗策としては、ウイルス対策ソフトウェアを導入して、ファイアウォールを使えば、予防することができます。

マルウェア

コンピューターウイルススパイウェアワームなどといった悪意のあるソフトウェアの総称のこと。
今日、インターネットはほとんどが常時接続、つまり外部への間口が常に開かれている状態となっているため、コンピューターがマルウェアに感染する危険性が増加しています。
マルウェアに感染すると、個人情報が漏れる危険性があるだけではなく、悪意のあるプログラムを他人に感染させてしまう場合もあります。マルウェアの被害者が、本人の知らないあいだに加害者になってしまうのです。そのため、パソコンのウイルス対策は、いっそう重要になってきています。

不正アクセス (ふせい)

コンピューターを使って、許可されていないシステムにアクセスすること。
具体的には、インターネットなどを経由し、他人のIDやパスワードを使うなどして、勝手に企業や個人のコンピューターのデータをのぞいたり、不正に利用したりすることです。会社の中で、許可されていないシステムにアクセスしても、不正アクセスになります。不正アクセスによる被害が増加したため、2000年2月から「不正アクセス禁止法」が施行されています。
不正アクセスを防止するには、他人にIDやパスワードを推測されないようにする、ネットワーク上の脆弱性を利用されないように定期的な保守を行うなど、さまざまな方法があります。近年は、企業のネットワークへの不正アクセスを24時間監視するサービスも、登場しています。

フィルタリング

違法コンテンツや有害コンテンツの閲覧を防止するアクセス制限のこと。
出会い系サイトで子どもが犯罪に巻き込まれる事件が多いため、2003年9月から出会い系サイト規制法が施行されました。この法律では、保護者の責務について「児童の保護者は、フィルタリングサービスやフィルタリングソフトを利用するなどして、児童がインターネット異性紹介事業(出会い系サイト)を利用することを防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない」と規定されています。
お子さんが出会い系サイトに近づかないように、パソコンや携帯電話にフィルタリングをかけることをおすすめします。パソコンの場合は、市販のフィルタリンソフトがありますし、携帯電話の場合は、携帯電話会社がアクセス制限機能のサービスを提供しています。

個人認証 (こじんにんしょう)

あらかじめ登録されている利用者を、システムが本人であると識別する行為のこと。
ATM (現金自動預払機) を利用する時の暗証番号を入れる行為も個人認証の一つですし、コンピューターのパスワードも個人認証になります。人間の体の一部分を個人認証の手段として用いる生体認証 (バイオメトリクス) もあります。
指紋に代表されるように、人間の体には一人ひとり異なる部分があるため、その特徴を利用して、さまざまな種類の生体認証による個人認証システムが登場しています。