防災・防火 2011年05月23日

第45回 【体験レポート】「池袋防災館」で地震と火災について学ぶ<1>

こんにちは。暑かったり、涼しかったり、雨が降ったり・・・何を着て出かけたらいいのかわからない日が多いですね。こんなときは、体調を崩しやすいので、無理し過ぎないように気をつけましょう。

2011.5.23更新

東日本大震災から2カ月あまりが経ちました。現在も復興途中ですが、日本は地震大国。いつどこで大きな地震が起こるかわかりません。地震以外の災害に対しても、いざというときに適切な行動が取れるよう普段から準備しておきたいものです。
そこで、私たちは東京消防庁が設置する都民防災教育センター「池袋防災館」(東京都豊島区)を訪ね、地震や火災の対策を実際に体験してきました!今回は、「地震コーナー」の体験レポートをお伝えします。

地震発生・・・そのときとるべき行動は?

地震が起こったときの行動について映像で学ぶ

今回ご案内いただいたのは、池袋防災館・インストラクターの宮川さん。はじめに、「地震が起きたら?10のポイント」という映像を見ながら、地震が起こったときにとるべき行動について確認しました。そのポイントをいくつかご紹介します。

1.グラッときたらまず"身の安全"を確保
なによりもまず自分の身の安全を確保しましょう。テーブルの下など落下物から身を守れるところで揺れがおさまるまで様子をみます。テーブルの脚をしっかりにぎり、膝をつくのがポイント。お尻をついて座り込むと、動きにくく、転倒しやすいそうです。

2.揺れが落ち着いたら火の元を確認
火を使っているときは、揺れがおさまってから落ち着いて消すようにしましょう。ガスは一定以上の揺れを感知すると自動停止するので、まず、自分の身を守ることを優先すること。揺れているときに消そうとすると、熱油や熱湯などをかぶってしまうことにもつながり、非常に危険なのだそうです。

3.窓や戸を開け、出口の確保を
地震で建物が歪んだりすると、扉が開かず、逃げられなくなる可能性もあるので、揺れがおさまったときに、避難経路を確保しておきましょう。
また、あわてて外に飛び出すと、瓦やお店の看板が落下してきたり、壁が崩れてきたりと、思わぬ危険にさらされる可能性もあるので要注意です。

震度7を体験!地震の怖さを実感

阪神大震災と同レベル、震度7を体験
必死にテーブルにしがみつきました

地震が起こったときの対処法を確認したあとは、いよいよ地震体験コーナーへ。ダイニングキッチンを模した体験コーナーで、私たちも席についてスタンバイ・・・。
すると、緊急地震速報のあと揺れが始まりました。「すぐにテーブルの下にもぐってください!」「テーブルの脚の上の方をしっかりにぎって!お尻はつかず、膝をついてください!」宮川さんの指示が飛びます。
体験したのは、阪神・淡路大震災と同レベルの震度7。大きな揺れがくるとわかっていても、かなりの衝撃が・・・。「分かっていても、すぐに適切な行動をとるのってなかなか難しい」「これが実生活で起きたらもっと怖いだろうな・・・」メンバー一同、初めての地震体験に驚きを隠せませんでした。
今まで、幸いにも大きな地震を体験したことのない人は、ここで疑似体験をすることで、いざというときに、少しでも落ち着いて行動できるかもしれません。

地震対策、日ごろの備えも忘れずに

地震体験のあと、宮川さんから「地震が起こったときに、自分自身の身を守れるように、普段から地震に対する備えを行うこともとても重要です」とアドバイスが。そのポイントをまとめてみました。

転倒防止グッズが設置されたキャビネット

食器棚などには扉の開放防止のストッパーなどを

・家具や電気製品を固定しよう
「実は、阪神・淡路大震災のとき、家具の転倒による『圧死・窒息』で多くの方が亡くなりました」と宮川さん。
家具の固定は、地震対策を行う上でとても重要です。最近ではいろいろな家具の転倒防止グッズが市販されているので、利用するようにしましょう。
また、食器棚などには扉の開閉ストッパーを設置しましょう。
もし、眠っているときに地震が起こったら・・・?洋服ダンスや本棚が倒れてきたり、ものが落ちてきたりする可能性があります。落ちて危険なものは、ベッドのそばに置かないようにしてください。
あなたのお部屋は大丈夫ですか?ぜひ、すぐに見直してみましょう。

・非常持ち出し袋を備えよう
「東日本大震災のあと、非常持ち出し袋を用意された人も増えたようです。この機会にぜひ準備しておいてください」、と話してくださったのは、池袋防災館・課長補佐の橋本武次さん。
備えたいグッズは、手動発電式ラジオ、ライト、ホイッスルのほか、約3日分の食料と水、簡易トイレ、保温ができるシートや着替え、下着など。そのほかにも、個人で必要な常備薬、メガネなど、自分に合わせて用意をしておくとよいそうです。
また、非常持ち出し袋を置いておく場所については、朝、昼、夜、いつのタイミングでも持ち出しやすい場所に置いておくことが大切です」と教えていただきました。玄関先でも、ベッドサイドでも、自分のライフスタイルに合わせて場所を決めておきましょう。落下したものが壊れて、避難経路に散らばり、足をけがする場合が考えられるので、底の厚い歩きやすい靴も一緒に用意しておくと安心ですね。

今回、実際に映像を見たり、地震の揺れを体験したりしたことで、地震の怖さ・対策の重要性を改めて感じました。

次回のコラムでは、池袋防災館の体験リポート第2弾、火災時の対応について、「消火・煙コーナー」をレポートします。
煙に巻かれたとき、私たちは適切な行動がとれたのでしょうか・・・?次回のコラムもお楽しみに!

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