防災・防火 2022年08月03日

第360回 ひとり暮らしの女性が注意したい家具の地震対策

9月1日は防災の日。
関東大震災が発生した日であり、また9月は戦後最大の被害をもたらした伊勢湾台風が発生した月でもあることから、地震や台風など自然災害への心構えを忘れないために創設されたそうです。
コロナ禍の影響で、自宅で仕事をしたり、休日を過ごしたりする女性も多いと思います。
自宅の地震対策は大丈夫でしょうか?
特にひとり暮らしの女性は、自分で自分の身を守るために万全の地震対策をしておきたいですね。
地震発生時、家のなかで負傷する原因として多いのは、家具の転倒や落下などによるもの。
そこで今回は、家具の地震対策をまとめます。

2022.08.03更新

9月1日は防災の日。
関東大震災が発生した日であり、また9月は戦後最大の被害をもたらした伊勢湾台風が発生した月でもあることから、地震や台風など自然災害への心構えを忘れないために創設されたそうです。
コロナ禍の影響で、自宅で仕事をしたり、休日を過ごしたりする女性も多いと思います。
自宅の地震対策は大丈夫でしょうか?
特にひとり暮らしの女性は、自分で自分の身を守るために万全の地震対策をしておきたいですね。
地震発生時、家のなかで負傷する原因として多いのは、家具の転倒や落下などによるもの。
そこで今回は、家具の地震対策をまとめます。

家具の地震対策:最初に確認しておきたい3つのポイント

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地震による家具の転倒や落下は、状況によっては命に関わることもあるほど大変なことです。
「もし大きな地震が起きたらどうなるか?」を想像しながら、室内を見回してみてください。
安全を確保するために、次の3つのポイントを押さえてお部屋のレイアウトを検討しましょう。

(1)なるべく室内にものを置かない
ものの置き場を考え、部屋をいつもスッキリ保つことも大事な地震対策のひとつ。
生活空間には、できるだけ家具類を多く置かないほうが安全です。
納戸やクローゼットなど備え付けの収納スペースを活用しましょう。
地震で部屋のなかが散乱する危険性もあります。収納にも工夫をしましょう。
テレビや電子レンジ、プリンターなど重いものは、なるべく低い位置に配置してください。

(2)避難経路を確保する
玄関までの通り道が確保できるかどうかを考えて、家具の配置を見直してみましょう。
部屋の出入口や廊下に大型家具類を置くと、地震の揺れで転倒したり移動したりして、逃げ道をふさいでしまうことがあります。
家具の引き出しや開き戸が揺れで飛び出してくることもあるので、家具を置く向きにも注意が必要です。
また、集合住宅の場合、玄関とベランダ(低層階なら窓)なで屋外への脱出ルートを2以上確保しましょう。

(3)ストーブの置き場に注意する
冬場は、ストーブなど発火の恐れがある家電の置き場に注意してください。
カーテンやクッション、洗濯物など燃えやすいものの近くは避けましょう。
火を使わない電気ストーブでも火災は発生します。
地震の揺れでものが動くことを念頭に暖房器具類を配置してください。

家具の地震対策:転倒・落下・移動を防ぐ具体的な方法

東京消防庁によれば、近年発生した大きな地震において、負傷した原因の約30~50%が、家具類の転倒、落下、移動によるものでした。
また、高い建物では、上の階ほど家具が転倒・落下・移動する割合が多くなることもわかっています。高層階に住むひとり暮らしの女性は、家具の地震対策が必須だということです。
具体的な方法をご紹介します。

●家具を固定する
家具の転倒・落下・移動を防止する対策は、「ネジによる固定」が基本。
L字金具を使って、家具と壁・柱部分を結束固定する方法が良いとされています。

とはいえ賃貸物件などでは難しいですね。
「ネジによる固定」ができない場合は、家具と天井の間を突っ張って固定するポール式の器具で代替しましょう。
家具と床の隙間に差し込む転倒防止ストッパーや粘着ジェル性の耐震マットなどのアイテムと併用すると、より転倒・落下・移動防止の強固になります。

●キャスター式家具は確実にロックを
地震の揺れでキャスター付きの家具が移動してしまうことはよくあります。
ぶつかったり、ドアをふさいだりすると、大変危険です。
テレビ台やキッチンワゴン、ローチェストなど、キャスター付きの家具を使用している場合は、キャスターロックをかけましょう。
室内を見回して、キャスター付きの家具をあらためて確認してください。
キャスターロックが付いていない・ロックが壊れているなどの場合は、固定用の下皿なども市販されています。

●テーブルやイスにも滑り止め
背が低い家具でも、壁に接していないと地震の揺れで移動してしまいます。
テーブルやイス、ソファーなどにも移動防止対策をしておきましょう。
粘着ジェル状の耐震マットを底面に貼る、滑り止めシートを敷くなどするのがおすすめです。
カーペットも滑りにくいタイプのものを。滑り止めがついていないカーペットの場合は、裏側に滑り止めシートを挟んでおくと良いでしょう。

●家具のガラス飛散や収納品の落下を防ぐ
食器棚などガラス戸を使った家具は、地震で破損してしまうことがあります。
床に割れたガラスが飛散すると危険なので、飛散防止フィルムを貼っておくと安心です。
また、地震で観音開きの扉が開き、収納してあったものが落下して散乱するなどの被害も少なくありません。
地震による家具の扉開放を防止するストッパーもいろいろ市販されていますので、家具のタイプに合わせて検討してください。

●落下の危険があるものにも対策を
テレビや電子レンジ、パソコンなどの電化製品が、地震で落下する可能性があります。
家具や電化製品以外でも、花びんや化粧品のボトルなどのガラス製品、食器やグラス類など、割れやすいものには落下防止対策として、滑り止めシートを敷きましょう。
化粧品のような細々したものはボックスにまとめ、裏面に粘着ジェルの耐震マットを貼っておくのがおすすめです。

家具の地震対策:家具用の防災アイテム

ここまでにご紹介した、家具の転倒・落下・移動を防止するアイテムをまとめます。

□ポール式器具...天井と家具の間を突っ張って家具を固定する
□粘着ジェルマット(シート)...家具などの底面に簡単に貼り付けられる耐震アイテム。
ズレや転倒を防ぐ
□転倒防止ストッパー...家具と床の隙間に差し込んでおく。
傾斜によって家具を壁側に安定させ、転倒や移動を防ぐ
□キャスター下皿...キャスターの下に置いて固定する
□扉開き防止ストッパー(耐震ラッチ)...観音開きの扉の開放を防ぐ。
ネジで取り付ける掛け金タイプのもの、ワンプッシュで手軽に開け閉めできるもの、引き出し用のものもある
□L字金具など固定式の耐震アイテム...家具と壁をネジで固定するL字金具、落下の危険性が高い吊り下げ式照明器具を天井に固定するアイテムなども。
賃貸物件で場合は、固定式の耐震アイテムを設置する前に管理会社や不動産会社に相談するのを忘れないでください

ご紹介したアイテムは、ホームセンターやインターネット通販などでも購入できます。
自治体によっては、家具の転倒防止器具を購入する費用を補助してくれるところも。
お住まいの地域の自治体の情報をチェックしてみてくださいね。
「あんしんライフnavi」でもでもおすすめのアイテムをご紹介していますので、よろしければ参考にしてください。

* * * * * * * * *

今回は家具の地震対策を中心にご紹介しましたが、食料や飲料の備蓄品のチェック、非常持ち出し袋の中身の見直しなどもお忘れなく。
家族とは、安否確認の方法や待ち合わせ場所なども話し合っておきたいですね。

自分でできる備えを怠らないようにしましょう。

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