その他安全 2022年07月20日

第359回 水道やトイレが故障したら?出張対応サービスを安心して利用するために

ひとり暮らしの女性なら、キッチンの水漏れやトイレの故障などで急な修理が必要になることがあるかもしれません。そんなとき利用する可能性があるのが、出張対応サービス。自分では対処できない困りごとに対応してくれるありがたいサービスですが、近ごろ消費者トラブルの報告や相談が増加しています。
もしものときに、出張対応サービスを安心してできるよう、知っておきたいことをまとめます。

2022.07.20更新

ひとり暮らしの女性なら、キッチンの水漏れやトイレの故障などで急な修理が必要になることがあるかもしれません。そんなとき利用する可能性があるのが、出張対応サービス。自分では対処できない困りごとに対応してくれるありがたいサービスですが、近ごろ消費者トラブルの報告や相談が増加しています。
もしものときに、出張対応サービスを安心してできるよう、知っておきたいことをまとめます。

住宅設備の出張対応サービスで消費者トラブルが多発!

画像

「トイレが流れない」「蛇口から水が漏れる」など、住宅設備の故障は突然発生するもの。
水回り以外でも、エアコンの故障、自宅の鍵の紛失など、急に困ったできごとが起こり得ます。
そんな住宅設備の故障に緊急対応してくれる出張サービスにおいて、消費者トラブルが多発しているのをご存じでしょうか。

全国の消費生活センターに寄せられる相談件数は年々増加しています。



【出張対応サービスに関するトラブルの一例】
・「見積もり無料」の広告を出しているのに、見積もりにかかった費用を請求された
・見積もりをしてもらうつもりで来てもらったのに、その場で契約するよう急かされた
・契約を結んだあとでクーリング・オフを申し出たが、応じてくれなかった
・設備の劣化や別の故障個所を指摘され、修理が大規模になり、高額な費用を請求された
・作業がずさん、あるいは不十分なまま終了したにも関わらず、費用を請求された
・依頼したものの費用が高額だったために断ったら、キャンセル料を請求された

住宅設備の出張対応サービスでは、事業者側の説明不足や、依頼者の確認不足などから、トラブルになるケースが多くなっています。
なかには、「このままでは大変なことになる」「すぐに契約しないと次回の作業予約がとれない」などと不安をあおって契約を急かせたり、「別の作業が必要」「丸ごと交換が必要」契約などと不要な作業や商品を売りつけたりする、悪質な事業者もあるようです。
言われるがままに契約を結ばないようにしましょう。

出張対応サービスは「あせって依頼」がトラブルの元

日常的に使用する住宅設備の故障は、緊急対応を要することが多いもの。
トラブルが発生してから、慌てて事業者を探すことが多いのではないでしょうか。

消費生活センターの相談内容によれば、「スマートフォン検索で一番上に表示された事業者に依頼した」「たまたま目についたチラシを見て事業者に連絡を取った」という人がトラブルにあうケースがみられるそうです。
「一刻も早くなんとかしたい」という依頼者の切実な心理につけこむ事業者もいます。
出張対応を依頼する事業者は十分に吟味し、作業内容や費用などを冷静に見極めて選ぶようにしましょう。

【出張対応サービスで消費者トラブルを回避するポイント】
□サイトやチラシの格安広告だけで事業者を選択しない
□電話で問い合わせをする際に、見積もり段階で費用が発生するか否か確認する
□問い合わせの際は、広告に書かれた料金を鵜呑みにせず、出張料・点検料なども含めた総額の概算を確認する
□事業者が点検して故障原因が分かったら、作業開始前に見積もりを書面で提示してもらう
□サービス内容や見積金額に納得できない場合は、契約を急かされてもいったん断り、別の事業者から見積もりを取るなどして比較する

出張対応サービスでは、修理を依頼しなくても、実際に訪問して設備を点検すれば、出張料や点検料などが発生することもあります。
電話で問い合わせるときにきちんと確認し、納得したうえで来てもらうようにしてください。

また、ひとり暮らしの女性の場合、ひとりで立ち会うことに不安がある方もいると思います。
可能であれば、家族や管理会社などに立ち会ってもらうのも良いでしょう。

出張対応サービスに依頼してトラブルに巻き込まれたら?

修理を急ぐあまり、契約内容や費用について十分検討できないまま契約し、あとでトラブルになるケースが多発しています。
万が一の消費者トラブルに備えて、サイト広告のスクリーンショットや、ポスティングチラシを保管しておきましょう。

なお、自ら事業者を自宅に呼んで契約を結んだ場合、原則としてクーリング・オフはできません。
出張対応サービスもそれに該当しますが、別の設備の修理まで強引に勧められて契約した場合などは、クーリング・オフが可能な場合もあります。

解約に応じてもらえないとき、費用や作業内容に納得できないときは、泣き寝入りをせず、最寄りの消費生活センターに相談してください。
消費者ホットライン「188(いやや)」に電話をかけると、最寄りの消費者相談窓口につながります。

* * * * * * * * *

住宅設備に関して困ったときは、信頼できる事業者に依頼することが肝心。
緊急を要するトラブルが発生すると、慌てて十分に検討できなかったり、複数業者に見積もりを取ったりする時間がない可能性もあります。いざというときに備えて事前に情報収集をしておきましょう。

インターネットの検索上位に出てくる広告に目が行きがちですが、それ以外にも目を通して、クチコミなども参考にしてみてください。

賃貸物件に住んでいるひとり暮らしの女性は、管理会社におすすめの事業者を紹介してもらう方法もあります。夜間対応が可能な事業者などを確認しておくと、万が一のときも安心です。

賃貸物件の場合、管理会社が修繕業者に業務委託をしている場合もあります。
管理会社と連絡が取れる時間帯であれば、自分で事業者を探す前に、まずは管理会社に連絡したほうが、対応がスムーズかもしれません。

管理会社に連絡をせずに建物仕様に関わる変更や修繕をおこなうと、退去時に修復費を求められることもありますので、緊急対応で自ら事業者に修理を依頼したときも、後日かならず管理会社に報告するようにしましょう。

インターネットの検索上位に出てくる広告に目が行きがちですが、それ以外にも目を通して、クチコミなども参考にしてみてください。

関連記事
SNSシェア
関連するカテゴリーを見る
消費者トラブル